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『！？』
いきなり殴り掛かられて、わたしは目を瞑った。
けど待っても痛みはこないし、何かに抱き寄せられてる感じがした。
「ちょっとオニーサン、女の子に暴力はダセェよ」
目を開けると高尾くんは殴りかかってきたパンチを受け止め、緑間くんは私を守るように抱きしめてくれていた。
「んだよおめぇら！この女のツレかよ！」
「ま、そんなとこ。だからAちゃんにそんな事するやつはさぁ…許せないわけよ」
『高尾くん…』
「ﾁｯいくぞ」
高尾くんのいつもの何倍も低い声で、さっきの男の人達は帰っていた。
「大丈夫だったか？A」
『うん、2人のおかげで何ともないよ！ありがとう！高尾くん！真ちゃん！…あっ』
高尾くんがずっと真ちゃん真ちゃんって言うからうつってしまった。
「ブハッ！真ちゃんよかったじゃん！」
「……好きにしろ////」
怒られちゃうかな、と思ったけどOKらしい。
「てか俺も苗字じゃなくて名前で呼びてーんだけどいい？あ、俺のことは和くんって呼んでネ☆」
『もちろんいいよ！和くん、真ちゃん…うん！いいじゃん！』
高尾くんは最初冗談で言ったみたいだったけど、私はそう呼ぶことにした。
それから3人でバスケをして、帰りは2人に近くまでチャリアカーで送って貰っている。もちろん漕いでいるのは高尾くん。
「Aちゃんバスケめちゃくちゃうめーじゃん…」
「正直、俺も驚いたのだよ」
『アメリカにいた時無理やりしごかれたから…えへへ』
「女バスでやんねーの？」
『私は観るのが1番好きだからやんないかなー。誠凛に女バスもないし』
「やりたいことをやるのが1番なのだよ」
気づいたら近所のスーパーにまで来ていた。
『あ、ここでいいよ！ありがとう、送って貰って』
「本当にここでいいのか？」
『うん、買い物もして帰りたいから。今日はほんとに楽しかった！ありがとう！』
「Aちゃん、明日の試合は行くの？」
『行くよ！』
「なら会場で会うかもしんねーな！」
『その時は声かけてね！じゃあほんとにありがとう！またねー！』
「またなー！」
「気をつけて帰るのだよ」
『(明日は桐皇…か)』
夕方の生ぬるい風が髪を揺らしていく。
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作者名：chico | 作成日時：2019年2月12日 1時
