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「若武が 帰り道一人になっちゃうし、送ってくれなくても いいよ?
用件だけ話して、ここでわかれよう。」





若武との分かれ道で、そう言ったの。

いつもなら、皆がいるから 私とわかれてからも 若武も一人で 帰らなくてもいい。
でも、若武一人に 送ってもらうとなると 何だか 申し訳ない 気がしてきたから。




「……お前な……」



若武が ガクリと肩を落として 俯いた。





「お前は女で、俺は男だろ!

今ここで わかれたら、お前が一人で帰る事になんだろ!

俺が帰りに一人になる事より、その方が 何倍もマズイだろ!」




そう言って、グイ とつかまれた手首。



突き刺すように 大きな瞳で前を睨み付けて 歩き出した若武。
その若武に引かれて 歩き出した私。






「アーヤ。


……俺、そんなに 頼りにならねえか?」




ズンズン……と進めていた足の勢いを 少し緩めた若武が、引き締めた表情のまま そう聞いてきた。




緩やかになった歩調は、やがて 止まった。




手首を掴まれたまま、向かい合うように立った私達。




冬の夜は、空気が冷たい。


「俺、そんな 頼りにならねえのか?


お前、全く 俺の事 男だって 意識しねえの?」





………………



「……若……武?…」




「誤魔化すなよ、アーヤ。




何度も はぐらかすなよ。



前から、ちゃんと 言ってんだろ?
俺と 付き合ってくれ、って。」





堅く握られた手首が、冬の寒さの中でも 熱く感じる。




「何で、俺じゃ ダメなんだよ。


やっぱ、美門なのか?
それとも、すなーら?」






笑いも ふざけもない若武が、真面目に語りかけてくる。






「その他大勢は 嫌なのは、わかった。
だから、他の子からのチョコは 全部 断る。



アーヤからしか いらない。




それでも、お前 俺じゃダメなの?」







「ど……うしてよ。



若武、いつも 色んなかわいい子 見てるじゃない!

私にこだわる理由が わからないもの。

だから、全然 わかんないの!」




若武の いつもと違いすぎる雰囲気が怖くて、逃げるように 叫んでしまう。




「俺、お前の事も キーホルダー事件の時から ずっと かわいいって 言ってたろ?」


キョトンとした顔で、そんな事を言う若武。



「っ、だって!
だって……若武は……

私じゃなくても いいじゃない。」



サッカーボールのキーホルダーの子とか……






「どう思ってるか 知んねえけど、

俺 自分から付き合おう っつったの、アーヤだけだぜ?」

end page.。→←station six.。



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Disney★ - 歌詞を元にしていても、フラグを外して、記載していても、歌詞の転載は違反ではないでしょうか? (2018年4月11日 20時) (レス) id: 9f53b71922 (このIDを非表示/違反報告)
あーや - 面白かったです! (2017年4月23日 20時) (レス) id: ca25a3e326 (このIDを非表示/違反報告)
ち あ き(プロフ) - 菊香さん» えっとー、歌詞を元にしているものですので! (2016年4月23日 20時) (レス) id: 592baf6932 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - ち あ きさん» あの、歌詞の転載は違反だと思うのですが…。たとえ、ワンフレーズでも著作権に関わるそうです。もし、間違っていればすみません!!詳しくは、こちらを確認してみてください。→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/rule/ (2016年4月23日 12時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
ち あ き(プロフ) - 桜さん» 私のお話の源は歌詞です。オリジナルフラグは外していますし、そう記載したはずなので、大丈夫だと思いますが…? (2016年3月27日 7時) (レス) id: 592baf6932 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Satellite x他1人 | 作者ホームページ:×  
作成日時:2016年1月29日 10時

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