【REBORN!】真逆な二人 (ページ20)

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19話ページ20

スカーは大鎌を振り回し、襲い掛かってきた。Aはそれをギリギリで避けている。了平は心配そうにモニターを見詰めた。

「おいおい！逃げるだけか!?あ"あ"？」

「うるせーし、よく見えねぇなー。よし！」

Aは出来るだけ遠くへ離れると、地面に右手をつけた。すると、みるみるうちにドームの中の暗闇が右手に吸収されていった。

「どうなってやがる!?」

「うーん、こんなもんでしょ。スカー君、夜空の守護者のもう一つの意味知ってる？例えば晴れだったら回復みたいな。夜空はねー【吸収】だよ」

ニッコリ笑うと、ゆっくりと立ち上がった。

「そろそろ本気出そっかな」

そう言うと、黒い霧に包まれ姿を消した。スカーは目を見開き辺りを見回した。

「どこ行きやがった!!!」

「こっちだよー」

Aが姿を現したのはスカーの真後ろだ。慌てて大鎌を振り回したが、闇に消えた。それと同時に黒い霧がスカーを覆った。そして次に現れたのはスカーの目の前だ。

「終わりにしよう」

黒い霧が晴れるとスカーは鎖により動きが封じられていた。ここで漸く綱吉達に笑顔が見えた。

「でた！Aさんの鎖技だ!!」

Aはぐっ、と思い切り鎖を引っ張り上げた。その瞬間、スカーから鈍い音が聞こえその場に倒れた。鼻歌を歌いながらスカーの首にかかっている指輪を取った。自分が持っていた指輪を合わせると完成させた。

「こんな感じかな～」

そう言うとドームの外へ出た。そして、了平の元へ走って行った。

「勝ったよー、ほい」

「あっ、ありがとうございます!!!」

和気あいあいとしている後ろでその場にそぐわない爆発音が響き渡った。後ろを振り向くとAがいたドームが爆発した。中にはまだスカーがいたはずだ。

「なっ！？」

「どーなってるの!!?」

相手側は笑っている。始末する手間が省けたとでも思っているのだろう。Aは笑っている相手の元へ歩いた。途中顔のいかついおっさんに止められたが、それでも椅子に座る男に近づいた。

「ねぇ、何が可笑しいの」

「あ"？笑っちゃわりーのかよ」

暫く両者睨みあった。が、直ぐにそれは終わった。Aは冷たい目で見定めると、ニッコリ微笑んだ。

「ああ、そう」

そう言うとくるりと向きを変え、了平のほうへ歩いていった。その時にぼそりと呟いた。

可哀想に。

その言葉は星が輝く夜空の闇に消えていったのだった。