【REBORN!】真逆な二人 (ページ14)

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13話ページ14

Aは慌てて靴を脱ぎ、かつて父が使っていた書斎に飛び込んだ。息を荒くしつつ本棚を動かした。

「…やっぱりか」

Aが見たのは家系図だ。ずっと昔から一之瀬家の男はボンゴレファミリーの幹部だったのだ。先程リボーンが言っていた夜空という文字も綴られている。

リボーンは今まで夜空の守護者は居なかったと言っていたが、それは間違いだ。居たことには居たのだ。だが、全員闇に隠れ存在を消していたのだ。Aの父親も例外でなく、早くに姿を消し、消息をたっている。

「……いや、おかしい。…父さんは確かに死んだ。この目で見たし間違いない。…なら何でだ」

リボーンは同じ属性を持つ者との一騎討ちを行うと言った。だが、これには夜空の属性を持つのは一之瀬家の者のみと書かれている。相手は一体何者なのだろうか。

「…まあ、いっか」

そう言うと、寝そべった。いまから学校へ行ったところで意味はない。面倒くさいし、このまま寝てしまおうと瞳を閉じた。

それは不思議な感覚だった。いつもと少しだけ違う。気付くと草原にいた。目の前には青年がいる。

「おやおや、これは珍しいお客様だ」

「誰？」

青年は独特な笑いかたをすると、Aに近づいた。Aは少し身構えた。

「これは申し遅れました。僕は六道骸と申します。貴方はどうしてここへ？」

「俺は一之瀬A。気付いたらここにいたんだ」

「…そうですか」

骸という青年は疑うような視線をAにむけた。Aはというと呑気に回りを見渡している。そして、その場に寝転んだ。

「……何をなさっているのですか」

「んー…寝てるの。こんだけ気持ちいい場所なら寝るのが一番だよ。君も寝たら？」

そう言って手を差し出した。骸はその手を恐る恐るとった。Aはニッコリと笑うと引き寄せた。骸は隣に倒れるように寝そべった。

「ねぇ、骸君」

「…はい」

「君って黒曜生が並盛中の生徒を襲った主犯でしょ」

そう言うと骸は罰が悪そうに頷いた。

「知っていたのですね」

「うん、名前だけ知ってた」

すっ、とAは立ち上がった。それと同時に骸も立った。骸は本能的に危険を察知し距離をとった。

「ふふっ、そう身構えないで。別に君に恨みがあるわけじゃないし。了平の落とし前についてはきっちりしてもらったしね」

骸はそれを聞き肩の力を抜いた。Aもニッコリとほほえんだ。

「それでさ、頼みがあるんだ」

ニヤリと口元に笑みを浮かべた。