2/2 ページ20
.
「コーギー、疲れた」
「本当に疲れたのは俺様だ。 というかまだ2/5くらいしか片付いてないからな？」
「うげ〜、まじで？」
足を軽く晃牙に蹴られて、思わず私は膝をつく。
絶望した人みたいな姿勢になり、それを見た晃牙に笑われる。
お前のせいで私膝痛いんですけど。
なんで笑ってんの？
イラッときて私はちょうどいいスペースの空いた床に寝転ぶ。
「おい、テメ〜何寝っ転がってんだ」
「わんこが私のこと笑ったから」
「ガキか」
「うっざ」
耳を塞げば晃牙も横に寝っ転がってくる。
肩が触れる。どころじゃなかった。上から覆い被さられた。
首に晃牙の髪の毛が当たって、少しくすぐったく感じる。
晃牙はぎゅっと強く私を抱きしめた。
「なになに、なんですか」
「……お前は黙って抱きしめられるってことができねぇの？」
「えっ、あ、はい」
なぜだか不機嫌そうに言われてしまったので、私はおとなしく口を閉じた。
だけど逆に静かな空間に耐えられずもぞもぞと動いてしまう。
なんだか気まずいような居心地が悪いような。
うが〜っ、と脳内が熊姫のようになっていたそのとき。
晃牙が口を開いた。
「俺、お前と暮らせんの嬉しいぞ」
いつの間にか晃牙の顔が目の前にあって、腕が私の顔の横に。
いわゆる床ドンみたいな体制になっていた。
にかっと元気よく笑う晃牙にちゅっと軽くキスを落とされる。
ふにっとした感触が離れていけば、またぎゅっと抱きしめられた。
「…俺様と暮らせるんだ。 もちろん、お前もだよな？」
もちろんだよ。
という言葉は、晃牙の唇によって遮られてしまった。
＊3月17日更新＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月26日 19時
