【ハウルの動く城】君と僕と花束と

102.ロベリア ページ5

あの言葉通り、王様はちょくちょくFloraに注文をした

その文を届けてくれるのはなぜかいつもノアさんで、たまにお茶をすれば彼の新しい発見をした


ノアさんは元々花屋Royalの一人息子で、護衛隊に憧れていたらしい
念願叶って入隊しても、親のコネだとかいろんな噂が飛び交ったと笑って話していた


それでも、一度本当に命懸けで王様を守ったことで王様からも他の人からも認められて隊長にまでなったと言うから本当にすごい人だ

ただ、少しドジなところを除けば




今も熱い紅茶に舌をやけどしたと言って悶絶している

ノア「そうだ、Aさん、以前サミュエルに会ったの覚えてますか？」

『うん、覚えてるよ』

ノア「そのサミュエルが最近不穏な動きをしてるんですよね」
『不穏な動き？？』

ﾊｳﾙ「サミュエル？･･････もしかして、サミュエル・ダグラス？」

隣で配送用の花束を作っていたハウルが口を挟んだ
ちなみに、ノアさんはハウルがハウルだということをこの間知ったばかりなのにも関わらず、すごく懐いている珍しいタイプだ


ノア「ハウルさん、知ってるんですか、あいつのこと？」

ﾊｳﾙ「いや、詳しくは知らないんだ。名前は聞いた事あるんだけど、何しろ情報がないんだ」
『情報？？』

ﾊｳﾙ「そう。昔、魔女避けを作る時に色々調べてたんだけど、遠い西の国から来たということしか分からなかったんだよ」


そうだろ、とハウルがノアさんに確認すれば深く頷いた

ノア「そのサミュエルが、最近魔法書の禁書を漁ってるんです」
『なにか調べてるだけでしょ？』

ノア「禁書で調べられるのは人の殺し方、呪い方くらいです

だから不穏な動きって言ったんですよ」

あぁ、なるほどと頭を動かしてハウルを見ればなにかとても難しい顔をしていた


ﾊｳﾙ「確かに、それは変だ

腕の見せ所だね、護衛隊長さん」



さらっと言ったハウルに戸惑いながらも少し嬉しそうにはい！と応えた

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