【ハウルの動く城】君と僕と花束と

100.ペチュニア ページ3

午前4時に集合して城の装飾に取り掛かった



ハウルの魔法を使って咲かせた花ももちろん含まれて居るが、企業秘密と言うことで通している




友情に関する花言葉を持つ花を中心にバランスよくまとめていく必要のあるこの仕事は大変だけど、すごく楽しい

花言葉なんて、知らない人は全く知らないから気づいてすら貰えないかもしれないけどね


魔法で咲かせたペチュニアにそっと微笑みながらそう思った




「隊長！それ、そこじゃないですよ！」
「ちょ、こっちでもないですってば！」
ノア「えぇ！？ど、どこ！！？？」



ノアさんは余程部下から好かれているらしい

朝早く集まってもらったのに、愚痴1つ零す人もなく、というか、積極的に手伝ってくれる


ノアさんもその1人で、ちょこちょこと動き回っては部下に笑われて恥ずかしそうにしている


『ノアさん、それはこっちにお願いします！』

ノア「あぁっ、ごめんなさい！！」


いいんですよ、と笑えば、向こうも幾分か恥ずかしそうにぽりぽりと頭をかいた


「うわぁ、隊長がAさん狙ってる」
「略奪愛だ、略奪愛」
「勇者！流石、隊長！」


聞こえてきた部下の声に顔を真っ赤にさせて居るノアさんは謝りつつ怒った


ﾊｳﾙ「え、なに？略奪愛？誰が？」
『誰もそんなことしてないから大丈夫』
ﾊｳﾙ「ふぅん、･･････ノア、Aは僕のだから」

ノア「ぇ、あ、はい」
『ほら困っちゃった。こっちは大丈夫だから、向こうの続きお願いね、早く終わらせなきゃ年越せないよ？』


ぎゅう、とお腹に手を回してきたハウルの手に触れながらそういえば、不満そうにしながらもしぶしぶ仕事に戻った


「三角関係だ」
「なんだ、修羅場か？」
「Aさんの指輪の相手って、アイツだったのか！？」
「いや、ありゃどー見ても隊長に勝ち目はねぇよ」


憐れむようなその声に突っかかって行ったノアさんを見送って、再び仕事を再開した

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