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「写真...？」
まるで異世界語を聞いてるような顔になる彩。
あこがれのカップルになるには...
この前どこかの本で読んだこの一言。
「あこがれの人をマネすれば、きっとその人に近づける。」
これを実践するときは今しかない。
「ほら、はやく。」
彩がまだぽかんとしてるのでせかしてアプリを入れさせる。
入れたのは今話題の美白だとか小顔だとかになる水色と白がトレードマークのアプリ。
そーゆー女子らしいものに鈍感な俺でも、一応名前は知ってた。(と言ってもつい数週間前に彩から教えてもらったんだけど)
よし。
...で？
自撮りってどうやるんだ？
よく考えたら自分の写真はおろか、人の写真をほぼ撮らない俺。
カメラロールを見ても入ってるのは数式か授業でやったボードの写真、以上。
だからどう自撮りをすればいいのかなんてまったく想像もつかなかった。
「...まあなんで写真を撮るのかはわからないけど」
俺の様子に気づいたのか彩が俺の腕を取り、上にあげる。
「この指をこんな感じで...」
背中にしがみつくような形で俺の指を調節しだす彩。
甘い桜のようなにおいが背中からふわっと香る。
いまぜったいすげー心臓のおとしてんだけど...
なんでこいつはそれに気づかねーんだ？
まあある意味助かるけど。
「うん、そうそう！そんなかんじ。」
あまりにも他のことを考え過ぎて、我に返った時には彩の自撮り講座は終わってた。
いつのまにかカメラは反転しており、俺と彩の頭にはないはずのネズミの耳が画面内で踊っていた。
「やっぱり腕長いね。」
不意にそうつぶやく彩。
「自撮りするときって短いと入らなくて...ってごめん！そんなこと言われても反応しずらいよね！」
両手を口の前で合わせ、ごめんというような仕草をする彩。
やっぱりそーゆーちょっとしたことをほめられるとことか、謝れることとか。
ちょっとしたしぐさがかわいいとことか。
そういうとこがきっと男心をくすぐるんだろーな。
こいつ、すぐ人に取られそう。
俺なんかじゃなくて、もっと他のいい...
...違う、今はそれを思う時じゃない。
今は今の幸せに集中しないと。
幸せは続かないから。
煩悩を振り払い、携帯を上にあげる。
「撮るぞ」
画面に映る２人の顔はどこか恥ずかしげで。
でもうれしそうだった。
最高の写真が俺の白黒のカメラロールに一枚おさまった。
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M(プロフ) - このお話大好きです！ ほんとに何回も読んでるんです🫰🏻💗 素晴らしい作品を作って頂きありがとうございます！！ (2022年11月27日 1時) (
レス) @page50 id: 774f7e13f3 (このIDを非表示/違反報告)
riorio21 - 奏さんの作品面白いし、感動するし、楽しみにしてます‼︎これからも頑張ってください‼︎ (2022年6月12日 12時) (レス) @page50 id: 58b56bfa9f (このIDを非表示/違反報告)
心結 - 本当に本当にとっても面白かったです‼奏さんの作品、私大好きです‼これからも頑張ってください‼ (2022年3月22日 20時) (レス) @page49 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 翠雨さん» ありがとうございます！応援取っても励みになります！他の作品も頑張りますー！ (2018年8月23日 16時) (レス) id: ee0f7784b7 (このIDを非表示/違反報告)
翠雨 - とても面白かったです！これからも頑張ってください(*^^*) (2018年8月22日 18時) (レス) id: aab040c059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上杉奏 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時：2018年4月23日 17時
