四つ葉のクローバーは知っている

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その一つ一つの動きがすごくかっこよくて思わずどきっとする。




こういうとこ、ほんとに男子しかかっこよくできないんだよね。



だからドキッとするんだろうなぁ。


「最初はほんとにただ拾ってぱらぱらって見ただけだった。」


うんうん。



「そしたら絵がめっちゃきれいで。

俺にとっては全部が新しくて。

なんかすっげードキドキした...から。」




ああ！私も同じ！


最初に見た時そんな感じだった！



思わずあのときの興奮を思い出し胸がぎゅうっとなる。



で、そのことを言おうと思って和典に目を向けたんだけど思わず口をつぐんだ。



だって和典はすっごく暗いオーラを放っていたから。




なんでそんなのが分かるかって言われても...


長年の勘としかい言おうがないんだけどね。






「でも」




そう言った和典の声はやっぱり暗くて思わずごくっと息をのむ。





「俺もともと昔から人の気持ち分かんねーから。」





...え？

和典あんなに私のこと優しくしてかんがえてくれてるのに？




「正直今彩がどんなことを考えてんのかも分かんねー。




俺といて楽しいのか。

幸せなのか。



俺といてどきっとしたりするのか。」




そういうと和典はこっちを見た。



とてもきれいな目。


でもその眼には悲しみが漂っていた。





「そのせいで彩を傷つけたくなくて読んだっていうのもある。」





えーっと、うん傷つけたくなくて、まではわかった。


なんでそれが漫画につながるのかがいまいち分かんないんだけど...？




「だからさ。」


和典はそういうと人差し指でちいさな円を宙にかきだした。




「漫画ってぜったい主人公の心の気持ちを代弁してる小さい丸があるだろ？」





ああ、確かに。


「あの人かっこいいなぁ」とか「好きなのに言えない」とか結構人前で言えないことが書いてあるふわふわした丸みたいなのがあるかも。




「それがあって初めて、ああ、女子ってこういうことでドキドキするんだ、とか、こういう人を好きになるんだ、とかわかるから。だからその読もうかなって...」



なるほど...



「って俺なに彼女にこんなこと言ってんの。まじで恥ずいんだけど。」



え？

なんで？



「いや、なんでっていわれても...」




和典は少し顔をそむけると真っ赤になりながらこっちを向き私の肩にポンッと手を載せこう言った。




「だって彩のためだけにこんなことやってんだよ？そればれたらはずいじゃん。」

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