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「雨降る時に君想う」




私がこのまんがを読み始めたのはたしか高校生の頃。



初めての恋になにをすればいいのかわからなくて、「教科書」としてなにげなく買ったこの本に私は心を惹かれたの。



すてきな絵に思わずはっとする物語の展開。

それはただの本を超えた、わたしにとっての思い出だったんだ。





それがこんなふうになるとは思いもしなかったけど...





「ごめん、まじで。最初はただただかたづけようと思って拾ったんだけど読むうちに...ちょー話が読みたくなって...」



そしてあわてたように首を振った。


「べ、別に隠そうと思ってたわけじゃねーよ?だけどなんかあれじゃん、ほらあの...」



「あれ?」


「だからその...」




和典は少し赤くなると堪忍したようにこう口を開いた。



「だってはずいじゃん。こんなんよんでたら...ほら、女子が読むもんだろ?」



それからこう小さな声でつけ加えた。



「まさかその話が好きではまったなんて...いえねーし」




かああっとさらに赤くなる和典はなんだか珍しくて、かわいくて、思わず笑ってしまった。




「ちょ、笑うなって...だから嫌だったん...」



「わかるよ!和典。私もあの話大好きだから!私は特にひまりちゃんが好きだなー?」


そう意味ありげに言った。

私はありのままの和典が好きだからこその言葉だった。







その言葉を聞くと和典はぱっと顔を輝かせ、口を開き、うれしそうに語り始めた。





☆☆☆


「あ、あの場面ね!」


それから何十分かたって。



私たちはソファに座ってまんがを2人で読み返してた。



当時あんまりこのまんがを知ってる人がいなくて語れなかった分、すっごく嬉しい!


と同時に凄くうれしかった。




「ああー、やっぱりいつきくんかっこいい!あんなに優くて面白いって...もうかっこいい!」




そんな何気ない一言で和典がぴくっと反応する。



あれ?

いつきくん、好きじゃなかった?



「あ、いや、なんでもない...」



ふぅん?


少し疑問は残るけど私はまた本に向き直った。





けどなぜかそこから和典はあまりしゃべらなくなってしまった。




はて...





☆☆☆


「そういえばなんで少女マンガなんか読もうと思ったの?」





「ああ、最初はさっき言ったみたいにおっこってたからぱらぱらってみたんだけど。」





そういうと和典はふうっと息を吐き本を閉じるとソファに寄りかかった。

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M(プロフ) - このお話大好きです! ほんとに何回も読んでるんです🫰🏻💗 素晴らしい作品を作って頂きありがとうございます!! (2022年11月27日 1時) (レス) @page50 id: 774f7e13f3 (このIDを非表示/違反報告)
riorio21 - 奏さんの作品面白いし、感動するし、楽しみにしてます‼︎これからも頑張ってください‼︎ (2022年6月12日 12時) (レス) @page50 id: 58b56bfa9f (このIDを非表示/違反報告)
心結 - 本当に本当にとっても面白かったです‼奏さんの作品、私大好きです‼これからも頑張ってください‼ (2022年3月22日 20時) (レス) @page49 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 翠雨さん» ありがとうございます!応援取っても励みになります!他の作品も頑張りますー! (2018年8月23日 16時) (レス) id: ee0f7784b7 (このIDを非表示/違反報告)
翠雨 - とても面白かったです!これからも頑張ってください(*^^*) (2018年8月22日 18時) (レス) id: aab040c059 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:上杉奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz  
作成日時:2018年4月23日 17時

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