四つ葉のクローバーは知っている

好き？ ページ12

「最近彼氏とどう？彩」


ニヤニヤしながらそう聞いてくるのは同じ大学に通っている雛。

私に初めてできた親友。


優しくて、おしゃれで明るい。

そんな子で私の自慢の親友なの。




「ええ、どうって...別に普通だよ。」


少し照れ気味にそう答える。




「普通って...んもー、彩は素直じゃないんだから！」



そういい人差し指で私の鼻をちょんとつついてくる雛。



「最近なんだか嬉しそうじゃん。進展あったでしょー」




さ、さすが雛。

するどい。



「実はね...嫉妬したって言われたの」

「...え？」



そこから私はLINE事件の一部始終を語った。

あ、まあ一部は修正したけど。



でも話すだけでにやけちゃうよ〜




そんなことを思いながら、

「ね？和典かっこいいでしょ？」


というとなぜか雛は一瞬ぽかんとして次の瞬間どっと脱力したように机に突っ伏した。



え？

ど、どうしたの？



「彩〜」


は、はい...


「あんた純粋すぎ！そんなことで喜んでたらすきって言われた時失神するんじゃない？」


呆れ気味にそう言われる。


うっと言葉に詰まる。

け、けど...


ってあれ？

もしかして私...



「すきって言われたことない...かも...？」



脳内の記憶をつたって考えるもそんな記憶は一度もなかった。



「ええええええ！」


ひ、雛、ここ公共の場所だよ！？

そう思いがばっと口を押さえる。




「もごぉ...」



私が手を離すと雛はぷはっと息を吸い、一瞬心を落ち着かせるかのように心臓の上に手を置く。


そして深呼吸をすると頼んであった抹茶ラテを一気飲みした。




「彩...それ、だまされてない？」

「え？」

「すきって言われないとかおかしいよ！」

「そ、そうなの？」

「普通のカップルは挨拶代わりにすきっていう感じでしょ！」


あ、挨拶ぅ？

そんなに頻繁に？

でも言うタイミングなくない？




「んー、じゃあわかった！彩、彼氏とのLINE見せて。」


え、いいけど...


和典とのトーク画面を開きおずおずとスマホを差し出すと雛はそれをばっとつかみ、トーク履歴を遡りだした。


そして一言。


「スタンプも絵文字もなければ彼氏「うん」とか「はい」しかいってないじゃん」

「ふ、普通そうじゃ...」

「業務連絡かぁ！」


ひ、ひぃ、ごめんなさい...


「とにかく！ちゃーんと、本性を見極めるのよ、彩。男は単純そうに見えて変に頭のいい奴とかいるから」


私はそれを聞くとごくり、と唾を飲み、がくがくとうなずいた。

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