第46話 ページ47
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ああ、そうだ。
あの時、私の目の前で悲しんでいたのは…
「ははっ……」
「っ…A…?」
リヴァイさんは痛みが引いたのか、頭を押さえながらも首を傾げた
笑うところじゃない。分かってるんです。ごめんなさい。でも、今はどうしたらいいか分からないんです。どんな表情をすればいいのか…
だから、唯一知ってる表情をしたみたんです。私がいつも心がけている表情を…
でも実際は、完全に笑顔じゃない。
涙が流れた汚い顔
そんな顔をリヴァイさんはあの時のようにまた私の頬に手を伸ばす
凄く嬉しかったから、また私の代わりに拭ってくれるんだと思える。そう思ったけど…
「やめてください…っ」
「……っ」
今は思えなかった。だから、リヴァイさんの手を振り払った
リヴァイさんは戸惑いながら手を引っ込めて、じっと私を見ていた
「もう優しくしないでください…私に…」
「…何故だ」
「……思い出したからです…忘れていた一部の記憶を…だからっ」
「……言えねぇのか」
「………っ…最低だって…きっと…っ…きっとっ…リヴァイさんが悲しむからっ…」
「…俺は…涙とか…そんなものは似あわない奴だからな……悲しまねぇよ…」
「…!私達が幼い頃っ!」
涙が似あわないとか、流さないとか関係ない。リヴァイさんだって人間なのだから悲しむでしょう
なのに、そんな風に私の忠告を軽く流したことに「もういいや、そんなら話してやるよ!」とヤケクソに叫んだ
「この公園で遊んでたっ…リヴァイさんとハンジと私で!毎日のように遊んでたんです」
「……」
「でもある日わたしの母親が血だらけで帰ってきましたっ…人を…殺してっ…帰ってきました…っ…誰を殺したのでしょう…ずっと今まで分からなくて考えたくなくてっ…目を伏せていました…」
けど、今日思い出したんだ。
あの日母が私を抱き締めて、私にもついてしまった血の持ち主を…今思い出してしまった
拳を震わせ、自分自身泣き止むのを待っているとそっと拳を包み込まれた
どうして、そんなに優しくできるの…
だって私は…
私はもう一度リヴァイさんの手を振り払って、気が狂ったまま叫んだ
「私の母は貴方のっ…!リヴァイさんの父親を…っ…親を殺したんですっ!!!」
「…っ……は…」
これで終わりだ。もう合わせる顔なんてない。また遠くへ逃げよう。ここにはもう居られない。また…また遠くへ……
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サクヤ - 兵長スマイルみたい (2017年2月3日 19時) (レス) id: 18ba645ccb (このIDを非表示/違反報告)
SS - 何回読んでも最高だ (2016年1月9日 2時) (レス) id: 0b4dc6d3ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - リヴァイ店長、スマイル下さい私にも!!(←)とても面白くて最後は泣きそうになりました!これからはてな様の他作品も読ませていただきます! (2016年1月7日 16時) (レス) id: 958aa37ba1 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 千乃さん» そんなそんなっ…凄く嬉しいです!そんな事言って頂けて感極まりました…!お気に入り登録も本当に有難いです。新作作ったので良かったら…コメントありがとうございました! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 遙真さん» 観覧、コメントまでありがとうございます!感動して頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな | 作成日時:2015年4月14日 20時