検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:113,071 hit

第40話 ページ41

.




エレンと2人でやっと『あの場所』に辿り着いた

そこには月明かりで街が照らされていて、夕方とはまた違った美しい景色が広がっていた


うん。何度見ても綺麗で見惚れてしまう…

だけど、不思議なことにあの時感じた『懐かしい』という気持ちは全く感じられなかった



おかしいな…勘違いだったのかもしれない

こんな事があるから一緒に行こうと言ったのに…

リヴァイさんは意外と頑固だ。いや、意外とは余計か…





「寒くねぇか?」

「はい、大丈夫です」

「そっか」




エレンは着ていた羽織ものを脱ごうとしていたが、私が首を横に振った為、再度羽織直した

そして芝生の上に座り込み、景色を眺める





「俺さ…この景色好きなんだよな」

「私も好きです、綺麗ですよね」

「ああ、けど…」

「………?」




エレンは照れ臭く笑った後、私の方へ顔を向けては真剣な顔で、けど優しい笑顔で言った




「隣にAいねぇと、どんなに綺麗な景色でもすきじゃねぇけどな」

「………そ、そうですかっ?嬉しいです……そう言ってもらえて…」

「………」

「私も…その…エレンと居ると…居ると……」




幸せで笑顔になれる。だから好き…

そう言いたいのに何故か口は動かなかった。それに心も何故かモヤモヤと締め付ける


まるで言ってはいけないと言われているようで…



そんな私の心に気づいていないエレンは、言葉を続けた

こんな雰囲気で分かる。エレンが言おうとしていること。だけど…止めてほしい言わないでお願い





「A…俺…」

「っ…」

「多分…いや絶対…Aのこと好き…だと思う……嫉妬してしまう程…」

「……あっ…」






今、好きな人に告白されてるはずなのに…どうしてだろう…


全然嬉しくないっ…

止めてって心の叫びは届かず、いや…届くはずない。言葉は声に出さないと届かないのだから


私は泣きそうな顔を隠す為、俯く。そして何て言っていいのか、どうしたらいいのか分からずに黙り込んでいた


すると、エレンの戸惑った声が聞こえ





「いや…多分だから気にすんな…嫌だったら聞かなかったことにしてくれ…」




そう寂しそうな、悲しい声で私に言ってくれた。優しく肩を摩りながら…

私は申し訳なさと、自分への苛立ちで声が出ない。それで更にイライラしてしまう



唯一言えた言葉は…






「ごめんなさい…っ…」

「…謝ってんじゃねぇよ…俺が格好わりぃだろ(笑)」





そうやってエレンは笑っていた。

.

第41話→←第39話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
199人がお気に入り
設定タグ:進撃の巨人 , リヴァイ , エレン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

サクヤ - 兵長スマイルみたい (2017年2月3日 19時) (レス) id: 18ba645ccb (このIDを非表示/違反報告)
SS - 何回読んでも最高だ (2016年1月9日 2時) (レス) id: 0b4dc6d3ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - リヴァイ店長、スマイル下さい私にも!!(←)とても面白くて最後は泣きそうになりました!これからはてな様の他作品も読ませていただきます! (2016年1月7日 16時) (レス) id: 958aa37ba1 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 千乃さん» そんなそんなっ…凄く嬉しいです!そんな事言って頂けて感極まりました…!お気に入り登録も本当に有難いです。新作作ったので良かったら…コメントありがとうございました! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 遙真さん» 観覧、コメントまでありがとうございます!感動して頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はてな | 作成日時:2015年4月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。