第32話 ページ33
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結局は来てしまうんですね。人間の無意識って怖い
あれから、二度寝を終了し街にぶらりと散歩がてら歩いてみた。すると驚くことに、無意識に辿り着いたのはレッヒェルン…
どうしよう…
緊張で微かに震える指を押さえてドアの前で立ち止まる
Openと書かれた看板を見つめ、耳を澄ましてみる
今のところエレンの声は聞こえない。もしかしたら今日はホールじゃないのかもしれない
あぁ…もういいや!!
私は思い切ってドアを開け、店の中を見渡す
すると、奥から出てきたのは…
「帰れ」
「え、酷くないですか…私への扱い」
「何の用だ」
「……」
前よりも私への扱いが酷くなったリヴァイさんの背後をチラチラと見てみる
けど、何処にもエレンは居らず首を傾げていると
「今日はエレンいねぇぞ」
「休み…ですか?」
「あぁ、家の用事だと」
「そうですか…」
良かった…なんて言えない。
タメ息を吐くと、リヴァイさんは「どうする」と聞いてきたので、私は勿論
「紅茶、1つお願いします」
「…了解した」
「帰れって言わないんですか?」
「言おうと思ったが止めた。今日のお前は…なんか変だからな…」
「…そうですか?」
そう笑いながら、案内された席に着くと、リヴァイさんは目を逸らしながらも「あぁ…」と一言残してキッチンへと戻っていった
そんな事言いますけど、今日のリヴァイさんだって少し変ですよ。
そっと鞄からメモ帳を取り出す。今日なら見れるかも!なんか弱って見えるし、今日のリヴァイさん
心配よりも笑顔!と最低なことを頭に紅茶がくるのを、リヴァイさんを観察しながら待っていた
数分後、紅茶を持ってきたのはリヴァイさんではなく、新入りらしい女の子だった
ふぅーん、こういう子を採用するのか。リヴァイ店長は。メモメモと必死に書いていると、ふふふと控えめな可愛らしい笑い声が聞こえた
顔を上げると「あ、すみません」と謝る店員さん
「いえ。あの…」
「はい?」
「店長さんの笑顔って見たことありますか?」
「え、いいえっ!そんなっ」
「やっぱりないんですね…中々頑固野郎ですね。あの人」
「ふふふ♪でも、見てみたいなとは思います。ここで働いている先輩が言っていたんですが、笑顔で褒められたって。凄く羨ましかったです」
その先輩とか言う人はエレンかな?と思ってしまったせいか、頬の体温が一気に上がる
誤魔化すように私は笑い、頬づえをつく
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サクヤ - 兵長スマイルみたい (2017年2月3日 19時) (レス) id: 18ba645ccb (このIDを非表示/違反報告)
SS - 何回読んでも最高だ (2016年1月9日 2時) (レス) id: 0b4dc6d3ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - リヴァイ店長、スマイル下さい私にも!!(←)とても面白くて最後は泣きそうになりました!これからはてな様の他作品も読ませていただきます! (2016年1月7日 16時) (レス) id: 958aa37ba1 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 千乃さん» そんなそんなっ…凄く嬉しいです!そんな事言って頂けて感極まりました…!お気に入り登録も本当に有難いです。新作作ったので良かったら…コメントありがとうございました! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 遙真さん» 観覧、コメントまでありがとうございます!感動して頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな | 作成日時:2015年4月14日 20時