第30話 ページ31
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リヴァイside
「変なAー…」
「てめぇのうるささにうんざりしたんだろ」
「えぇー、Aとは結構長い付き合いだし、仲良くしてると思ってたんだけどなぁ」
そうか、コイツもAとは幼馴染みたいなもんだと言っていたな。
ハンジは無駄に交友関係が広い。この街で知り合いじゃない奴など居るかと疑いたくなるほどだ
いや、今はそんなことよりも…
俺は辺りをもう一度見渡し、今自分がいる場所を確認する。
間違いねぇ…、夢に出てくる場所と同じだ…
俺は隣でまだ「Aとは上手くやってたつもりなんだけど」とぼやいてやがるハンジを睨みつける
「おい」
「んー?」
「…なぜ、お前がこの場所を知っている」
「あぁ、やっぱり。リヴァイの夢に出てきた女の子とお花で遊んでる場所ってここでしょ」
「…答えろ」
そう口調を強め、睨みつけるとハンジは珍しく俺の目をじっと見つめ、普段とは裏腹に冷静さを保っていた
確かにコイツには夢の話をした。だが、それは「花の冠を作った」ということだけ。何処でなどとは一切言っていないはずだ
「ハンジ…てめぇやっぱ何か知ってるだろ」
「…」
「話せ、お前が知っていること全部」
「……本当はさ…思い出すまで待っていようと思ってたんだ」
「どういう意味だ?」
「リヴァイが見ていた夢は、君の幼い頃の記憶だよ。多分ね」
「……あぁ…何となく分かる…」
一度も来たことのないはずのこの場所を何故か「懐かしい」と思ってしまう。それは、ハンジの言う通りだからだろう
すると、ハンジはポツリと呟くように俺に尋ねた
「私と何をしてよく遊んでた?」
「お前とは猿みてぇに木をよじ登ったり、意味なく走り回ったり…」
「じゃあ、私とどうやって出会った?」
「それは…っ」
一瞬にして頭の中が真っ白になる。自分でも分からない。ハンジとどうやって知り合ったのか…、なぜ思い出せない…?遊んだことは覚えて…っ
ハッと気づいた俺はハンジの方へと視線を上げる。ハンジも「そうだよ」と頷き
「木登りやこの原っぱで走り回って遊んだことは私がこの間、リヴァイに教えたんだ。だから記憶がある。けど、出会った時のことは話してないからね…」
「…どういう事だ…」
「リヴァイ、君は…軽度の記憶喪失なんだよ」
「………は…?」
俺が…記憶喪失…?
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サクヤ - 兵長スマイルみたい (2017年2月3日 19時) (レス) id: 18ba645ccb (このIDを非表示/違反報告)
SS - 何回読んでも最高だ (2016年1月9日 2時) (レス) id: 0b4dc6d3ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - リヴァイ店長、スマイル下さい私にも!!(←)とても面白くて最後は泣きそうになりました!これからはてな様の他作品も読ませていただきます! (2016年1月7日 16時) (レス) id: 958aa37ba1 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 千乃さん» そんなそんなっ…凄く嬉しいです!そんな事言って頂けて感極まりました…!お気に入り登録も本当に有難いです。新作作ったので良かったら…コメントありがとうございました! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 遙真さん» 観覧、コメントまでありがとうございます!感動して頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな | 作成日時:2015年4月14日 20時