第2話 ページ3
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「すみません」
「店に何か…」
「同窓会があると聞いたので来たのですが、もう帰ります」
目つきの悪い彼は「そうですか」と慣れてなさそうな敬語で呟いては目を逸らした
白いシャツを着て、腰にはエプロンを巻いている。店員さんだろうか…、若い…?いや、どっちだろう…
じぃっと彼を見つめていると、彼は眉間にシワを寄せ思いっきり私を睨みつけた
私は何故睨まれたのか分からず首を傾げると、
「邪魔だ…」
「…………あぁ、すみません」
確かに、彼の両手には重たそうな段ボールが2箱乗せられていた。顔しか見ていなかった為気づかなかった
私は素早く彼の前の道を開ける。そしてチラッと店の中を覗いてみる…、その瞬間
「A!?!?」
「げっ」
「やっぱり!みんなー!Aが来たよー!」
「うーわ最悪このバカ野郎大声で呼ばないでください」
「まったくもお♪久しぶりに会えて嬉しいからって!」
同級生であるハンジは帰ろうとする私の腕を物凄い人間とは思えない程の力で店の中へと引きずり込んでいく
腕を引き離そうとしていると、ふいにさっきの店員さんと目が合う
「……見てないで助けてください」
「断る。邪魔だ、外に出てやれ」
「ここも外です」
「店の出入り口だ、外じゃねぇ」
ゲシッと足のすねを店員さんに蹴られ、思わず「いったあああ!!」と叫んでしまう。その隙をつくかのようにハンジはタイミングよく思いっきり私の腕を引っ張った
そして連係プレーとはまさにこのこと。私の体が完全に店の中へ入り込むと、その瞬間に店員が扉を素早く、思いっきり閉めた
「はい、これでAも強制参加ね!リヴァイよくやった!」
「うるせぇ、俺はクソメガネに協力した覚えはない。というか…お前声の音量さげろ」
「これが地声なのおー!!」
「この酔っ払いが…」
知り合いか、初対面だと勝手に決めつけたことが敗北の原因らしい。
床に座り、蹴られた場所をさすっていると、ふと目の前に手のひらが差し出された
不思議に思い、顔を上げるとそこには…
「イケメン」
「…え?」
思わず声が出てしまい、すみませんと謝る。もう一度、逸らした目をあげてみると、そこには困ったように微笑むイケメンが、まるで王子様かのように私に手を差し出していた
これは幻覚か…、無意識に頬を引っ張っている自分に気づくにはもう少し後
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サクヤ - 兵長スマイルみたい (2017年2月3日 19時) (レス) id: 18ba645ccb (このIDを非表示/違反報告)
SS - 何回読んでも最高だ (2016年1月9日 2時) (レス) id: 0b4dc6d3ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - リヴァイ店長、スマイル下さい私にも!!(←)とても面白くて最後は泣きそうになりました!これからはてな様の他作品も読ませていただきます! (2016年1月7日 16時) (レス) id: 958aa37ba1 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 千乃さん» そんなそんなっ…凄く嬉しいです!そんな事言って頂けて感極まりました…!お気に入り登録も本当に有難いです。新作作ったので良かったら…コメントありがとうございました! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
はてな(プロフ) - 遙真さん» 観覧、コメントまでありがとうございます!感動して頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2015年11月30日 5時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな | 作成日時:2015年4月14日 20時