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『ごめんデイヴ、モーゼスさんに呼び止められちゃっ……』
植物園の扉を開いて、目的の場所まで足を早める。植物園の中でも比較的暖かくてあまり人が来ない温帯ゾーン。俺たち二人の絶好のサボり場。
そこに着いた俺の目に映ったのは、芝生に寝転んで丸くなるレオナと。そんなレオナのお腹を枕のようにして眠るデイヴの姿だった。
取り敢えずデイヴの機嫌が悪くなっていないことに安堵し、起こすべきか悩む。俺もデイヴも午後の授業はない。……が、レオナはどうなのだろうか。いやでも、ここにいるってことは大丈夫なんだろな。
『……煙草吸お』
二人の近くに腰を下ろし、胸ポケットから出した煙草を咥える。マジカルペンを一振りして、先っぽに火をつける。
煙を少し口内に留めて、深く息を吸う。甘いバニラの香りが、辺りに漂った。
上の方に開いた窓から差し込んでくる太陽の光と、寝るには丁度良いであろう気温。煙草の香りに混ざる、花の匂い。
「……ん……」
レオナが小さく身じろぎをする。悪い夢でも見ているのだろうか。その頭を軽く撫でてやると、また規則正しい寝息を立て始める。
ふわふわの耳を撫で付け、そのままチョコレート色の髪の毛を弄ぶ。尻尾が小さく揺れて、耳がぴくりと動いた。
そのままゆっくり手をお腹の方まで下ろし、デイヴの顔の近くで小さくぽんぽんと一定のリズムで叩く。ゆっくり、ゆっくり。
『〜♪〜〜〜♪〜〜♪』
輝石の国に伝わる子守唄。よくお眠り、あなたは私の可愛い子。たくさん眠って大きく育て。輝石の国の、もっと深いところの訛りまじりの歌詞は、確か大体そんな意味だったと思う。
それから次には薔薇の王国に伝わる子守唄。愛しい我が子、腕に抱かれてゆっくり眠れ。誰にもあなたを傷付けはさせない。……確かそんな歌詞だったかな。
「……ガキ扱いしてんじゃねぇよ」
『……おはよ、レオナ』
「ったく、お陰で目が覚め……おい、何でこいつ俺の腹を枕にして寝てやがるんだ？」
『さぁ。寝心地良かったんじゃない？……デイヴ、起きて』
レオナも起きたし、流石にデイヴもそろそろ起こさないとね。ゆさゆさとその身体を揺すると、デイヴは「ん"ん」と不機嫌そうな声を出しながら目を開けた。
その目が俺を映して、それからゆっくりと身体を起こす。両手がこちらに投げ出されたので、煙草を口で咥えてその両手を取ってデイヴの身体を引き上げた。
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あいらいん - なんでこれ公式じゃないんだろうって思うくらい好き (2023年4月4日 10時) (
レス) @page43 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
硝子ーtengitune.(プロフ) - このラジオに出れるなら私は最近泣いたの所に「プリ〇ュアで泣いた」って言いそう (2021年9月25日 20時) (レス) @page36 id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 碌無者さん» 完全な手違いですね……。消そうと思っていた方じゃない方を消してしまって……。ありがとうございます(ﾉД`) (2021年9月24日 7時) (レス) @page1 id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - あんなに書いてらしたのに続編が消えていて……手違いでしょうか？ ご愁傷さまでございます。 (2021年9月24日 1時) (レス) @page50 id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 了解です！頑張ってください (2021年9月23日 22時) (レス) id: ae4d7ce9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月6日 22時
