『私』を見つけるために�� ページ48
『天祥院英智』
【DDD】は、僕たちの延長戦辞退で『Trickstar』が勝利を飾った。
ラストのアンコールを歌った後、僕はある場所に向かっていた。
噴水広場の近くまで来ると、僕を呼び出した張本人が足場に座ってぱたぱたと裸足の足を泳がせているのが見える。
僕が来たことに気づいたのか、くるっと顔をこちらに向けた。
『やあ、Aちゃん。こんなときにどうしたの？』
「……元気か？ 別に休みたいなら無理しなくてもいいけど。」
『ふふ、お気遣いは無用だよ。僕も外の空気を吸いたいと思っていたしね。……そんなに改まって、僕に愛の告白かい？』
「そんなんじゃねえよ。ただ聞きたいことがあったんだ。」
目線を空に投げて、意味深に囁くAちゃん。
『そうなの？』ととぼけながら、僕はAちゃんと同じように靴を脱いで隣に座った。
『わ、ひんやりしてて気持ち良いね。家にも足湯を導入しようかなぁ。』
「天祥院さん、話そらすんじゃねえ」
『……はいはい。それで、聞きたいことって？』
「何で天祥院さんは、会ったこともない私のことを生徒会に入れるくらい気に入ってたんだよ。」
その言葉はさらっと僕の脳内に入ってくる。
綺麗で、僕の大好きな声だ。
じっと見つめてくるAちゃんは猫みたいで、思わず口角が上がる。
『……そうだね。Aちゃんには話してなかったか。』
「あんたと会った覚えはねえ。会話を交わしたのだって、ついこないだが初めてだ。絶対に。」
『うん、そうだよ。僕が君と会ったのはあの日が初めてだ。けど、僕が君を見たのは初めてじゃない。』
彼女の表情が少し曇る。
そんな表情から目をそらし、ふと思い出すのは初めて見た彼女のことだった。
ーーー…
『面接のデータ？』
入院中の僕に執事が差し出してきたのは、一つのUSBメモリ。
何でも、たった一人のプロデュース科の新入生が受けた面接の録画データらしい。
机の上にあったノートパソコンを立ち上げてそのデータを確認する。
『ありがとう、出て構わないよ。』
一礼して出て行く執事を見送ってからその動画を再生する。
『……なんだ、この子。』
見た目は麗しいのに、椅子の座り方すらなってない。
その仕草は見惚れそうなほど美しいけれど、足は組まれ、肩はだらん、と背もたれにかけて脱力している。
この子は本当に、『面接』をする気はあるのかな。
そんな不信感と不快感を覚えた、初めてのあの日。
『私』を見つけるために�□�←決着の前に少しお時間もらえます？��
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生しょうが - 澪。さん» 同感です…！楽しみにしてもらえて嬉しい限りです！更新頑張ります！ (2022年9月4日 22時) (
レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
澪。(プロフ) - 司くんは丸いぐらいが可愛いですよ、😌 いつも投稿楽しみにしてます！身体には気を付けて頑張ってください〜🔥 (2022年9月4日 20時) (レス) @page38 id: ebb5373f91 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» コメントも応援もありがとうございます！ぜひぜひ楽しんでいってください！ (2022年8月18日 22時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しみに読ませていただきますね〜！ (2022年8月18日 21時) (レス) @page4 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月18日 13時
