風にさらわれて�� ページ45
『羽風薫』
「…んもうやめてくれよ、」
消え入りそうな声で、たしかに彼女はそう言った。
怖かったのかな、もしかして言いすぎた？
ぐるぐると頭が混乱していると、ぱしっと俺の手が振り払われる。
「あんた、何か変な奴だよな。」
『へ？』
てか敬語は？
何か周りに敬語使える後輩が少なすぎてちょっと新鮮だったのに。
「軽いのかと思ったら、暑苦しいし。」
『えー、俺、暑苦しかった？』
「うん。けど何かこう、あんまり嫌な暑さじゃない。あー……なんていうか、大切にされてる感じ？」
『！ やっと自覚した!?』
「びっ、びびるだろ急に大声出すな。まあ私が『女』だって言うのはちゃんと自覚したから、あんま近寄んなよ。」
「しっしっ」と手ではらう動作をするAちゃん。
そのまま自転車を引き出す彼女の後ろ姿を追いかけた。
『ドライだなぁ。あと、女の子だからって言う理由だけじゃなくてAちゃんだからって言うのもあるんだからね』
「それはそうだな。私の顔は綺麗だもん、母さん譲りで」
『えーお母さんも綺麗なの？ 会ってみたいな。』
「そんな機会ないだろ……写真なら撮ってくれるかもだけど。まあ母さんの良さは写真じゃ伝わらないほど奥深いけどな？」
得意げに話すAちゃんは本当にお母さんが好きなんだとわかる。
その嬉しそうな顔に思わず頬がほころんだ。
「何だよニヤニヤして。きもちわり。」
『何かさっきから俺の扱い酷くなってない!?』
「薫さんは『年上の男』なんだろ。後輩の失礼くらい目ぇつぶれって♪」
『良いように言いくるめようとしてるでしょ、もう。』
まあ後輩の失礼とか本当今更すぎるけど。
それに距離が縮まったみたいでちょっと嬉しいし。
『なあ薫さん、』
「ん〜？ なに？」
『……将来、うちの母さんに会わせてやっても、良い、よ？』
「……へっ、」
急に俺の目を見て真剣に言ってくるAちゃん。
その頬は心なしか赤く染まっているようだった。
それって……けっこ
「まあ、嘘だけどな。」
……はい？
「何だよ薫さん、本気にしたか？ 随分間抜けな顔してっけど？」
さっきと打って変わって企むような笑みを浮かべて、俺に随分な言葉を投げつける。
さすがの俺も、自分の頬がどんどん熱をもっていくのがわかった。
『……っもお〜！ Aちゃん!?』
「後輩の可愛いイタズラだろ〜？」
にこにこ笑うAちゃんは、可愛いのに格好よかった。
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
