帰宅後 ページ21
『清海A』
『ただいまー！』
「おかえり〜A〜！」
『ぅわっ、びっくりしたあ、なに。』
玄関の扉を開けて靴を脱いでいると、後ろから母さんに抱きしめられる。
母さんの柔らかい髪が首筋に当たって少しくすぐったい。
「せっかく帰ってきたのにAが学校だったから寂しくて♪」
『だからって抱きつく？ まあ母さんだし許す』
「それにしても今日って入学式だけなのに、何でこんなに遅かったの？」
『ちょっとね。学校からの電話出なかったの？』
「お昼寝してた♪」
『……はあ、そう。』
リビングに行く間もぎゅっと抱きついてくる母さんに、仕事でどれだけ疲れてるんだろう、と心配する。
基本母さんは疲れてる時くらいじゃないとあんまり私に触ってこないのに。
「ねえねえA。学校どうだった？」
『学校？ ……まあ、楽しかった、のかな。』
「本当!? 良い男の子いた!?」
『何なの？ 今日は一段と疲れてるね。』
耳元で叫ぶ母さんの腕の中からするり、と抜け出す。
そして、近くのソファにカバンを置いた。
『良い男の子って……ほとんどが優しくて良い男だったよ。何か『アイドル』って感じした』
「……もう。A、私はそういうのを聞いたんじゃないのよ。『Aにふさわしい男の子』はいたの、って聞いたの！」
『ふさわしいとかはわかんないから。というか、そういう面で見るなら、全員私なんかとは釣り合わないし。』
紫之やひなた、忍や宙の、皆の顔が頭に浮かぶ。
優しくて、皆を笑顔にできる力を持った凄い人。
私がいつまで経っても届かなかった舞台に、彼らは立つことを許されたんだ。
「Aは……もっと自分に自信を持ちなさい。」
『私の価値は『母さんの娘』ってことだけなんでしょ〜？』
「それだけとは言ってないわよ!?」
『あはは、冗談だって。あ、私やることあるから部屋行くね。』
そのままリビングでゆっくりしよう、と思っていたが、思い止まり立ち上がる。
せっかくプロデュース科に入ったんだ。
もっとアイドルについて知らないと。
『夢ノ咲ってどういうイベントやるんだろ、そういうのもプロデュース科に任されたりするのかな。あ、まずユニットのこととか調べないとかぁ。ライブのルールとかあるならちゃんと頭に入れとかないと……』
「……ほんと、変わったね。」
『！ 私だけの力じゃないよ。
『____アイドルって、凄いんだぜっ？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
