スタート地点�� ページ1
赤、赤、赤…
見渡せば全て赤に染まっていた。
仲間だったはずの、裏切り者。
出会い頭に鉄パイプを振るってきたあいつ。
仲間、仲間…ああ、あいつもたしか仲間だった。
『なんか…つまんないな、』
全部、どうでもよくなった。
ーーー…
『あぁあ〜……確キル逃した〜……』
天井を見上げて呟く。
見上げると言っても、目の前のモニターしか光を発していないこの部屋では、何が見えるわけでもないんだが。
『しょーがない、……お、はっけーん、』
さっき見逃したパーティーの別の奴を見つけた。
間髪入れず、画面の中で撃ち殺す。
『ぅっし！ あともう一戦、』
「……A？」
『!? か、母さんっ？ え、何で……？』
ガッツポーズする私に話しかけてきたのは、海外に行っていたはずの母さん。
帰ってくるのにあと三日はあったのに……。
「こんな暗い部屋で……目が悪くなるよ？」
『や、やだなぁ母さん。寝てただけだって、心配すんなよ。』
「……そうは見えなかったけど。」
『あはは、母さん目ぇ悪くなった〜？ てか、何でこんな早く……？』
「撮影早く切り上げられたの。ねえA、実はね、」
『あー、話ならちょっと待って。飯食わないと。』
「……もう三時だよ？」
『わ、忘れてたんだって。』
朝からぶっ続けでモニターを見ていたからか、立ち上がるとクラクラする。
おぼつかない足取りでキッチンに向かい、お湯を沸かし始める。
「もしかして、私がいない間カップ麺だけ食べてたんじゃないわよね？」
『あはは。んなわけないよ、ちゃんとお手伝いさんに来てもらって……』
「それにしては家が汚いけど？ 本当に呼んだの？」
『ぁー……よ、んでない。』
ピーッと甲高い音が鳴り、お湯が沸いた。
べりっと慣れた手つきでカップ麺の蓋を半分剥がす。
母さんから顔をそらしながらお湯を注いだ。
「ねえA、もしかしてこのまま」
『あー！ わかってる、わかってるから。』
「……」
『学校、ね？ うん、行こうとは思ってる。』
「A……」
『でもさ。まだその……もうちょっと。』
この空間は心地いい。
母さんと自分じゃ、生きてる世界が違うんだ。
感じ方も考え方も、何もかも。
そんなキラキラした人に、自分の考えを話したところで、意味はない。
脳内物質が無駄に減るだけ。
けど、母さんはそこまで甘くないわけで。
「A、話があるの。」
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
