57。 ページ12
なんやかんやで、私達Bergamotが文化祭で歌う2曲が決定。
1曲は先程の『ECCENTRIC』で、もう1曲は同じFantastic liberoの別の曲。同じ人が作詞作曲しているのに随分と作風が違うなあと驚いたものだ。
「じゃ、バンドスコア申請書出してくるわ」
と雅斗くん。
バンドスコアが届き次第練習になるのかな。うーん楽しみ。
どこか軽い歩調で部室を出て行った雅斗くんを見送る。
そりゃそうか、自分の好きな曲演奏できるってなったらそりゃあ嬉しい。...いや待て。
雅斗くんが好きだと言った曲を私みたいなにわか者が歌っていいのだろうか。作詞作曲者の顔も素の声もちゃんと知らないのに歌っていいのかな。
うわあ悩ましい。うーん...
なんて悶々としていて気づかなかった。
目の前に現れるは見慣れた...というよりは見飽きたと言っても過言ではない彼。
「...なに?」
「何考えてんの」
「あ...いや、雅斗くんが好きな曲なのに全然知らない私が歌っちゃって良いのかなあって」
「は?」
「いやほら...曲には作った人の感情が込められてるじゃん、だからその...私Fantastic liberoさんのこと全然知らないし、やっぱ理解度の深い雅斗くんとか池谷くんとか、それこそ漣が歌ったほうが良いんじゃないかなあって思ったの」
「はあ?」
呆れたように私を見る漣。その後ろにはにやにやしてる池谷くんも見える。
なになに、そんなに変な質問したかな。
「雅斗は涼に歌ってほしくてこの曲選んだんだよ、なーんで分かんないかなー?」
と、池谷くん。
「えええ...いやでも、」
「歌ってほしくなかったら提案しないだろ」
「...そっか」
漣の一言で納得してしまった。
そうか...だとしたら雅斗くんの期待にちゃんと答えなきゃいけないじゃないか。
「頑張れよ」
「応援してるー」
「...頑張る」
_____
6月22日にbergamot執筆1周年を迎えたから何か番外編でも書こうかと思っておりますがリクありますか
Noel*26
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちご - 動かしてください。頼みますから!1コメ万歳 (2020年6月14日 14時) (レス) id: bc261c15a3 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - いちごさん» story1で言ったけどな(大声)うるせえネタバレすんな まあ彼の恋が動くか否かはお楽しみに... 1コメおめでとう (2020年6月7日 11時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 雅斗くんドイツ入ってたんだ知らなかった笑また昔のようによく笑ってくれるためにはあの子が必要だね・・・ (2020年6月6日 22時) (レス) id: bc261c15a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ