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「で、雅斗はファリべの何の曲をおすすめするわけ?」
「これこれ。『ECCENTRIC』」
「...えきせんとりっく?」
「そ。まあ聞けって」
「わ、ちょ」

雅斗くんはどこに隠し持っていたのか、自らの黒いワイヤレスイヤホン(ゲームセンターで300円で取ったらしい)を私の両耳に電光石火の速さで突っ込んだ。
くそう、逃げる暇すら与えないそのスピードはどこで鍛えたんだ。

 両耳に流れ込む音楽。

聞いたことは一度もない曲だったがどこか懐かしくて、どこか切ない、夏の日陰の僅かな涼しさをそのまま譜面に色付けたような曲。
 
 ああ、すきかも。

そっと目を閉じると、夏色に染まった世界が広がる。何もないのに、とても充実したような。激しい旋律なのに、優しく頬を撫でるそよ風のように鼓膜に触れるような。
夏の曲なのに、耳にしたら体感温度が下がりそう。

「...どうよ」

その声と共に目を開くと、覗き込むようにしてこちらを向いていた雅斗くんと目が合う。

綺麗な、瞳。
彼の瞳の前で、嘘をつける気がしない。
...嘘なんてつかなければいいんだけどね。

「うん」
「うん?」
「好きかも」
「だろ!?これ俺も好きなの。推し曲」
「何というか...こう、細くて柔らかいのにしっかりと芯があるような、うーん...語彙力が無いな」
「うん分かる分かるぞ、導線みたいだよな」
「ああ分かる、そんな感じする。銀色だよね」
「うっわめっちゃわかる!!」

その頃、漣と池谷くんは。
「...導線みたいって何」
「さあ...雅斗の感性って変わってるなーって思うことしょっちゅうあるんだよね、まだ会って1ヶ月ちょいなのに」
「ドイツの血流れてるからかな」
「...なんか納得」

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いちご - 動かしてください。頼みますから!1コメ万歳 (2020年6月14日 14時) (レス) id: bc261c15a3 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - いちごさん» story1で言ったけどな(大声)うるせえネタバレすんな まあ彼の恋が動くか否かはお楽しみに... 1コメおめでとう (2020年6月7日 11時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 雅斗くんドイツ入ってたんだ知らなかった笑また昔のようによく笑ってくれるためにはあの子が必要だね・・・ (2020年6月6日 22時) (レス) id: bc261c15a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Noel*26 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月6日 13時

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