#24 ページ25
花枝「Aちゃん!」
事の成り行きを見守っていた花枝さんがカウンターから飛び出してきた。
花枝「大丈夫!?」
A「わーすみません!床に傷つけてない?椅子無事?」
花枝「そうじゃなくてAちゃんが!あっ、血が出てる」
A「へっ?」
見たら肘の辺りがほんの少し擦りむけてしまった。じわ、と赤く滲む傷を見ていたら急にヒリヒリ痛みが出てきた。
私が思いのほか派手に倒れ込んだものだから、彼女も少しまずいと思ったようだ。
じり、と後ろに下がりながら「そっちが勝手に転んだんでしょ…、」と小さく呟いたけれど、さっきまでの勢いはもうない。
A「あは、このくらい全然平気。ほぼ私が転んだみたいなもんだから」
花枝「それは違うよ!
あなたも少し冷静になって?この件は慧くんに話しておくからね」
「っ…、」
あーあ、めちゃくちゃ泣いてるよ。泣きたいのはこっちなんですが…。
と、呆気に取られているうちに、その子は宿を出て走り去って行ったのだった。
.
.
.
A「いてて…、」
花枝「ごめんね、ちょっとしみるね」
A「だいじょぶです、」
擦りむけた位置が自分では手当てしにくく、花枝さんが救急箱を持ってきて消毒をしてくれた。
花枝「Aちゃんに部屋を貸すって言った時、てっきり今は彼女いない時期なんだと思ってたけど…やっぱりいたのねぇ」
A「なんかやっぱ…モテるんですね、慧くんて」
花枝さんは私の肘に絆創膏を貼りながら、そうねぇ、と苦笑いした。
花枝「まぁ優しいしね。でもね〜…こればっかりは彼の悪い癖ね」
A「わるいくせ?とは?」
ちょっと詳しく聞きたくて思わず身を乗り出したら、カランコロンとドアのベルが鳴った。
「予約してた者なんですけど…、」
花枝「あ、いらっしゃいませ!」
気付けばチェックインの時間を少し過ぎていた。
そこからバタバタとお客さんがやってきて、慌ただしく時間が過ぎ、
花枝さんは早番で帰ってしまったので、それきりその話はできなかった。
.
.
420人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時