#21 ページ22
A「別にいつでも飲めるよ〜。毎日ここにいるんだから」
慧「そっか…、ごめんね。また今度…」
…!!
するりと伸びきた手が、空いている方の私の手を捕まえて、
彼はそれをきゅ、と握ると、そのままにこりと笑って再び目を閉じた。
いやいや何これ。人たらしにも程がある。
とくとくと高鳴っている胸は、お酒のせいだけではないと思う。
だけど、手を握られても全然いやらしい感じはしない。下心とか色欲とか、彼の発言からそういう類のものを全く感じなかったから。たぶん私と一緒に飲みたい、という発言には、それ以上の意味は何も含まれていなくて、
ただ純粋に、もう少しだけ楽しい時間を過ごしたかったんだろうなと思った。
彼の寝息がいよいよ本格的になってきた瞬間を見計らって、そーっと手を離した。
.
そのまんま、かわいい寝顔を見つめながらちびちびとビールを飲んだ。
まつげ長いな〜。肌もっちもち。あはは、ちょっと口開いてるよ。
だんだんと私も酔ってきて、思わず眠っている彼のふわふわした茶色の髪の毛を猫にするみたいに撫でてしまった。
んー、とちょっとだけ動いた彼が、目を閉じたまま気持ちよさそうににこりとした。
かわいい。
思わずもう一回撫でる。
慧くんは嫌がる様子もなく、穏やかな顔で眠り続ける。まるでもっとやって〜って懐いてくる猫みたいだ。
やだ、私何やってるの。歳下のかわいい男の子にうっかり癒されている。
A「…寝よ」
彼にブランケットをかけてあげてから、リビングの電気を消して部屋に戻った。
.
ぽっかり穴が開いていた心の一部分が久しぶりに満たされたような感覚がして、その日もとても良く眠れた。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時