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A「松兄さん、これはどこに置いとく?」
「あー、それね、右上の棚!そこ開けて?そうそう」
楽しい時間はあっという間で、ぽつりぽつりと人が少なくなっていき、日付が変わる少し前にBBQはお開きになった。
キッチンで松兄さんの洗い物を手伝っていると、庭に続いている縁側のガラス戸から慧くんが軍手をはめたまま入って来た。
慧「外だいたい終わり〜!あとは明日やる」
「火消えてたか?」
慧「もぉ〜ばっちりだよぉん」
ふにゃふにゃと笑った慧くんは、はめていた軍手を外して丸めて、そのままソファにぽすんと横になった。蛍光灯の下で見てみたら首筋はもう真っ赤っかだ。
「よし終わり!じゃ、俺もう部屋行くわ、寝る」
A「おやすみなさーい」
松兄さんは手早く後片付けを済ませると、さっと部屋に引っ込んでいった。
なんだか見ていて気持ちいい人だなぁ。思いっきり楽しんで、でも決してダラダラとはせず、休むときはちゃんと休む。
しーんとなった部屋で、冷蔵庫から余っていたビールの缶を取り出してぷしゅ、と開けた。
A「はぁ、」
こんな苦い炭酸、おいしいと思う日が来るなんて思わなかったのに、最近はけっこう好き。
くうくうと慧くんの呼吸の音がして、あれ、この人けっこうガチ寝してない?と気付く。
A「慧くん、おーい」
慧「んんぅ…?あっ…!Aちゃん飲んでるの?待って、俺も、いっしょに、飲む…」
うるうるした目がちょっとだけ開いている。もう半分くらい眠っている感じだ。
A「あはは、もう今夜は無理だよ、やめておきな?」
慧「えぇ?むりかな」
A「むりでしょ」
慧「むりかぁ…!」
A「ちゃんとお部屋戻りな?風邪ひいちゃうよ」
慧くんは目を閉じたまましばらく、うーんでも、とか、そっかぁ…とかぶつぶつ呟いて、またうっすらと目を開けた。
慧「…Aちゃんとお酒飲みたかったのにな」
…!
その声があまりにも甘く掠れているから、どきりと心臓が弾んでしまった。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時