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大貴くんの目線の高さに合わせてしゃがみながらニコニコと話しかける姿はちょっと若いパパに見えなくもなくて、思わずきゅんとしてしまう。あぶないあぶない。
その時、服の端っこがくいくいと下に向かって引っ張られる感じがした。見ると、足元にいつのまにか侑李くん。しゅんとした顔で、手にウインナーの袋を持っている。
A「どうしたの?」
侑李「これやきたいの。おねえちゃんてつだって」
A「あ、お兄ちゃんに持っていってあげるんだ?」
侑李「……。」
侑李くんは唇をつんと尖らせたまま、黙って俯いてしまった。
むむ、なかなか一筋縄ではいかないタイプかしら。大貴くんより一回り小さい彼の目線に合うようにしゃがんで顔を覗き込んだ。
A「大丈夫だよ。お姉ちゃんとおいしいのいっぱい作ろう?お兄ちゃんきっと許してくれるよ」
侑李「…、うん…!タコさんにできる?」
A「できるよ!」
わぁ!この子笑ったら超可愛い!天使…!
.
慧くんが焼いたマシュマロと私が作ったタコさんウインナーで、大貴くんと侑李くんははすぐに仲直りした。二人仲良く並んで食べている姿をほほえましく見守る。
A「ふふ、あの二人って仲良しなんだねぇ」
慧「すぐケンカするけどね。そんですーぐ大ちゃんが負けんの」
A「なんかわかる気がする。慧くんもあの二人と仲良しだね」
慧「しょっちゅう花枝さんの宿行ってるからね。けっこーいるんだよあの二人」
目を細めて缶ビールを傾ける彼の首筋は心なしかほんのり赤い。今日も相変わらずじゃんじゃんお酒を飲んでいる。
慧「Aちゃん飲んでないじゃん。何ほしー?」
A「あ、私ウーロン茶でいいや」
慧「あんまりお酒好きじゃない?」
A「うーん、好きだけど弱くてさ。眠くなっちゃうから。だからあとで部屋でゆっくり飲みたいかなーって」
慧「いいね!後で一緒に飲も」
A「ふふ、慧くん絶対寝ちゃうでしょう?」
慧「や、平気、全然平気」
裕翔「はいみんな撮るよ〜!こっち向いて」
裕翔くんがにこにことこちらにカメラを向けて、その場にいたみんなでぎゅっと集まって笑った。
「待て〜!」
奥の方から松兄さんも走ってきて後ろに写り込んだ。カシャカシャといくつかのシャッター音を聞きながら、なんだか家族みたいだなと思った。
自分の居場所があるという安心感と心地よさに、久しぶりに包まれて嬉しかった。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時