検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:269,221 hit

Chapter 2 "泡沫のような" ページ15

苦しい…


苦しい…!


苦しい!!



またあの夢だ。
でも今夜はなんだか苦しさが今までと違う。


冷たくて真っ暗な水の中、もがいてもどこにも掴まれなくて、そのうちどんどん苦しさが増して、気が遠くなっていく。





助けて、ねぇ、……!

助けて!






.







A「はぁっ、」


大きく肩で息を吸う。
ここがベッドの上だって気が付くのに暫くかかった。





夢……?






夢だった。
いつもの。
だけどその苦しさは、いつもと比べ物にならないくらいにリアルで。


夏も間近、蒸し暑い東京の夜のはずなのに、冷え切った体は震えていた。









…私、誰かの名前を呼ぼうとしていた…?









慧「…A?」




ソファの上、慧が体を起こした。
忘れてた。今日から慧がいるんだった。
なんでもない、大丈夫、そう言いたいのに、肩を震わせて呼吸をするのが精一杯だ。





慧「どした?大丈夫?」




私の異変に気付いた彼が、ベッドの淵に腰掛けて、


そのあったかい腕が、今までもずっとそうしていたみたいに私を抱きしめた。



瞬間、魔法みたいに呼吸が楽になっていく。






この人といると、不思議と心が落ち着いていくのは、やっぱり気のせいじゃない。



慧が、小さい子を寝かせるみたいに背中を優しくさすってくれた。
ほっとしたらなぜか涙がぽろぽろ溢れてきた。





なんで泣いてるのか、自分でもよく、分からない。





慧「よしよし。怖い夢見た?」


A「ひっく、」


慧「…大丈夫、俺がいるよ」









…慧、あなたは、誰?









優しい腕はその夜、私がもう一度眠りに落ちるまで、私をぎゅうっと抱きしめていた。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (389 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1062人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。