怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ27)

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Ⅳ-77個目　何で怒ってる？ページ27

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アインスは、天使の炎で苦しまないように仲間を無残な姿にした。

その一人が、ルディ。

なんでもルディは天使として生まれ変わったらしい。

あの村の神様ー、なんていうのはその場しのぎ。

だってあの時言ったら“レアルカをおびき寄せることが難しくなるじゃないか”。

「っ…!!!」

レアルカの顔から血の気が引く。

今、わざと俺の心の声をこいつに聞かせている。

「お前…今までの行動や言動全て、俺を倒すためだけに演じていたのか…!!」

「だーいせーいかーい」

何もわかっていない我々警察と怪盗達にも説明をした方がいいよな。

「…まぁ、あれだ。俺は、もともとこいつが俺を殺そうとしていたのを察していたんだ。ずっと、ずぅっと前から。
俺がまだ怪盗をやっていない時、カクハに実験体にされていない時、グルッペンとハルに会う、それよりも前から」

きっと、アインスが教えてくれたんだと思う。

そうじゃなきゃ、他に誰が教えてくれるのか。

俺は首に提げている銀色のペンダントを取り出す。

「あっ…」

グルッペンが小さく声を上げた。

俺の手の中にあるペンダントは、壊れている。

そう。壊したのだ。

最後の記憶を取り戻すために。

おかげで思い出した。

グルッペンとの約束、そして…ルディとグルッペンの…本当の正体を。

「レアルカは、きっと知らないよな」

ペンダントを握り締めて、レアルカに向き直った。

「何をだ…」

「…俺が、皆と悪魔の契約をした理由」

ボロボロだった皆の体は、俺の魔力で元通りになっている。

「そんなの…こいつらが大切だからだろ」

負けを確信しているのか、レアルカは力を抜きながら言った。

「そう。皆のことが大切だからだ。怪我とかしたら、治してあげたい。ほら、お前らがレアルカの出した黒い影に背中刺されただろ？」

それに我々警察が頷く。

「…!!おい、あれを治したのはそこの天使じゃないのか!!？」

レアルカが声を荒げる。

「違うよ。僕はAちゃんに呼ばれてトントン君達の手当てをしただけ。怪我を治すなんて、頼まれていないからね」

ルディが答えた。

「つまりルディは、俺が皆と悪魔の契約をしているのを隠すために呼び出されたってこと」

ウインク付きでレアルカに言うと、睨まれた。

しかもレアルカ本人じゃなくて何故か後ろにいる皆に。

解せぬ。