絶景かな！ ページ12
「さぶろーくん、ごめんね、せっかく案内してもらうために出てきて貰ったのに。」
「んーん、まぁいろいろ思うことはなくもないけど、いいの！それにAちゃんの顔も明るくなったし！おれとしては万々歳！」
にこーっと見上げる笑顔は相変わらず眩しくて、目が眩む。チラチラと、主に女子の視線を感じながら道を進む。後ろに他3人を連れながら、とりあえず、せっかく今居るんだからと祇園周辺の観光へ出た。
そりゃ視線も感じるよ、5人中4人の男が全員イケメンなんだよ、そりゃ勝手に目がいくよ。その中を歩いてる私はいったい何者。違う意味で私にもグサグサと視線が、うっ、いたい。
しばらく一緒に観光地なんかを回っていると、話すことも増えて、他4人は段々とこの空気に気を許してきたようだった。さぶろーくんがいい人だったからってのもあるかも知れない、二宮くんなんかはちょっかいかけに行く始末。松本くんの感じた波長はバッチリ合ったらしく、結果男達が騒いでいるちょっと後ろで私が見守るような感じになってしまった。うんうん、イケメン達がわちゃわちゃ楽しく遊んでる。絶景絶景。この景色に介入すべきではないね。せっかくの眼福だもの。
冬の冷たい空気に触れながら、京都の街を歩く。晴れててよかった、日差しがあるから、ないよりは寒くない。いや、寒いは寒いんだけど。
「なぁ、A。」
「ん、なに？」
前に居たはずの櫻井くんがいつの間にか私の目の前に来ていて、少しびっくりする。あぶね、思いっきり背中反るとこだった。
「約束、覚えてる？社内旅行の話した時の。」
「約束？したっけそんなの。」
「覚えてねーの？」
「だからなんの約束よ。」
「ったくもう、薄情だなー」
「あんたが言う。」
「…ま、確かに。薄情なんて今の俺に言えないな、ごめん。」
「…いいって、これで終わりとか言ってたでしょ。もう気にしてないっての。しおしおしてる櫻井くんの方がこわい。いつものに戻ってね、調子狂う。」
「…うん。…今度、飯奢るわ。」
櫻井くんがわしわしって私の頭を掴むように撫でる、髪崩れちゃうからやめて欲しいんだけどな。
私の髪を撫でる手の向こうで、腕に隠れてよく見えなかったけど、櫻井くんが安心したように笑っていた。
「お酒もつけてね。」
「勿論。」
頭の上を離れた掌の体温が優しくて、恋しくて、ちょっと泣きそうになる。あー、その掌で、しっかりと転がされてるな、って、そう思う。
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あま - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!! これからも応援してます!!! 頑張ってください!!!!! 待ってます!!!!! (2020年3月18日 1時) (
レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
さおりんご(プロフ) - とても面白く、いつも胸キュンしながら読ませていただいています。陰ながら応援させて頂いてますので更新頑張ってください！ (2020年3月17日 3時) (レス) id: 27caed879b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤乃 | 作成日時：2020年2月1日 0時
