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疑問を抱きつつも、彼と共に私は教室へ向かうために校舎の中を歩き出した。
落ち着かない。当たり前だけど。
「……ていうか、警察呼ばれたら困るのあんたの方じゃないの」
「うらた」
「は?」
「俺の名前だよ。あんた呼びされんの好きじゃねぇから名前で呼んで」
突然なんちゅう事を言い出すんだ、と思ったがまぁ確かにいつまでもこんな呼び方をしていては駄目か。
一応年上相手だし、なんて今更な事を思ったが、なんとなくそれが嫌だったので聞き入れるふりをしながらも、私は特にそれには従わなかった。廊下を通る度に、他の教室の開いたドアの隙間から私たちのことを見る生徒の視線が突き刺さる。
居心地が悪いなと思った。
「おい見てんじゃねぇ、殺すぞ」
は、はーーー?!!何言ってくれちゃってるのこの人!!
ぐいっと私を抱き寄せてまるで私のことを隠すようにしながら、うらたは視線を向けていた生徒たちに向かってそんな事を言った。一般人相手にも容赦ないことにも驚いたけど、学生相手になにやってんのこの人。
反社だから異様なくらいそのセリフがリアルだし。
「なにしてんの……?!」
「ガン飛ばしてるアイツらが悪くね?」
「っあーもう、早くこっち来て!」
私は彼の手首を掴んで足早にその場を去った。
もう嫌だ、私の学校生活完全に終わった。こんなの、学校辞めなくて済んだとしても周りから浮くだけだ。恨めしく思いながらもどうしようも出来ない私は一度空き教室の前を通るのを見計らって振り返ると、その顔を睨みつけた。
感情のないような表情。
その目は冷たくはないけど、どうやらこの状況が面白くないとでも思っていそうだった。
「全然自分の立場分かってねぇよな、おまえ。俺にタメ口でくるしこんな事するし、未成年が相手じゃなかったら俺相当酷いことしてたよ」
「……」
「おまえ顔だけは悪くないからね、まずはその整った顔が悲痛で染まるまで犯して……あ、ペットにするのも悪くねぇかも。俺の傍において、愛玩具として可愛がってあげようか。生意気な口が、俺を自分から求めるようになるまで」
思わず息を飲む。
無理やり体を開かせようとしてくる彼の姿が、嫌なくらい鮮明に想像することが出来た。急に怖くなってきて、私は彼の手首を掴んでいた手を離した。
「おいおい、そんな顔すんなって。冗談だよ。なに本気にしてんの?」
「は?」
「さすがにガキに手ェ出すほど飢えてねぇっての。まぁおまえのその顔は嫌いじゃないけど」
や、やっぱり絶望してる人の顔みて興奮するとかこいつめちゃくちゃヤバい奴だ。
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜!私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します!!動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました!🥺お体に気を付けて更新頑張ってください!🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雨 | 作成日時:2023年6月21日 15時