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「なに、この手」
うらたの鋭い視線は、その先にいた坂田に突き刺さった。
しかし当の本人は全く気にしていないらしくすぐにその視線から目をそらすと、私の方を見つめた。その赤褐色が僅かに混ざった不思議な色の瞳の中に、困惑した表情を浮かべる自分が映っている。なんか、変な感じだ。
何をする訳でもなくじーっと、ただこちらを見下ろすだけの視線。そのせいで何を考えているのか全く分からなくて、私は相も変わらず戸惑いながらその瞳を見上げることしかできなかった。
「……痛そうやなぁ、その首。Aちゃん大丈夫？」
「おい勝手にこいつの名前呼ぶな」
あれ、ほんとだ、そういえばいつの間にか名前で呼ばれてる……。
全然気にもしなかったので気づかなかったけど、彼はごく自然に私のことを名前で呼んでいた。ナチュラルすぎて全然分からなかった。でも特に不満はない。本物の恋人同士でもない癖に無駄に独占欲が強いうらたはそれですら嫌がっているが、そんなの知ったことではない。
なんなら思い通りにいかなくて不機嫌なうらたを見るのは少し気分が良かったりもする。ざまぁみろ。普段から横暴に振舞ってるのがいけないんだ反省しろ。
「えー。うらさんだって呼んでるのに俺はいかんの？俺も呼んでええかなーって思ったんやけど、だめ？ねぇ、Aちゃん」
「え、なんで私に聞くの……？」
「君のことなんやから、君に聞いて当然じゃない？」
それもそうか、と納得した。
いつの間にか躾られた頭でうらたの許可が必要だと何故か思い込んでいたけど、そういえばそうだった。自分の名前なんだから、これは自分のものだ。他人が決めるものじゃない。
王様でもない限り、そんな権限は無いのだ。まぁ日本に王様はいないのでそもそもありえない話だが。
「別にいいけど」
「やったー！許可出たしこれで遠慮なく呼べるわ〜！ありがとAちゃん！」
「……それはいいから温度差怖いのなんとかして」
「うらさんと俺の？」
「だって私すごいさっきから睨まれてるのよ？怖すぎて隣見れないもん。また痛くされそうだしほんとに怖い」
横から物凄い圧を感じる。
余計なこと言うなよ？おまえは俺のものだからな？とでも言いたげな顔でこちらを見ているのが安易に想像できてしまうが、それを実際に目で見るのが怖すぎて私はそっちの方向を向けずにいた。
「じゃあ、俺に乗り換えたら？」
「はい……？」
「Aちゃん度胸あるから、俺嫌いじゃないもん。俺んとこ来たら痛くなんかしないし、いっぱい可愛がってあげるよ？」
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
