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真意の分からない言葉に思考が停止する。
いや、まさかそんなはずは無い。なんて思いながらちらりと下の方に視線をやった私は見てしまった。
「えっ、浮い……？！！え？！」
おかしいとは思っていたが、まさか本当にこんなことになっているだなんて。この訳の分からない場所に来てから頭が混乱してばかりだ。
自分がどういう経緯で坂田さんの言うこの『桃源郷』という場所に来てしまったのかも分からないし、私がここに来る前に何をしていたのかも全く覚えていないから余計に分からなくなる。あるのは誕生日の前日、私が友人にご飯を奢ってもらった日以前の記憶だけ。
明晰夢でも見てるのかな。でもなんとなくそんなものではない気がする。現実逃避するようにそんなことを思いながらも、なにもできない私はただひたすらにシワがついてしまいそうなほど坂田さんの着物を握っていた。
結構な上空にいるからか、風が強くて髪の毛が舞うから邪魔だ。結ってしまいたいけど今はそんな余裕なんてないから文句も言ってられないのだが。
「A、A、見て。ほら、あそこ」
「あれって……街？」
「そう、街。この世に存在する珍物を扱ってる店とか、着物も飾りも、娯楽とか茶屋も、全部ある街」
よく分からないが、なんでも揃ってる街だということだろうか。坂田さんが説明してくれたので曖昧ながらもそう解釈した私は、体が安定してきたので少しだけ彼の着物を握る力を緩めた。
すると、坂田さんはそんな私に「ちゃんと掴まってるんやで」と言って笑ってから下の方へ視線を落とす。すると再び身体が降下していった。先程とは違ってスピードはそこまででもなかったが、いきなりのことだったので私が叫び声を上げながら再び彼の着物を強く握ったのは言うまでもない。
気が遠くなるような思いをしながらも、気づけば足が地面に着いていた。さっきまで空にいたせいで足元がふらつく。覚束無い足取りで2、3歩足を踏み出すが、どうにも上手く歩けない。
「ごめぇん、普段あんなにゆっくり飛ばんから上手く速さの調節できんかった」
「も、もういいですから……って、ちょっと、持ち上げないでください！！」
「俺のせいでこうなったんやし、責任もって俺が連れてくの！その服装やとここでは目立つから着替えさせたいし。真ん中の方に俺の店があんねん」
街の入口を、坂田さんに横抱き────所謂、お姫様抱っこされている状態でくぐっていく。坂田さんは見た目は爽やかな顔のいい青年だが、男性だからか思った以上に力が強くて降ろしてもらうことは出来なかった。
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李 雨月(プロフ) - かわいい私が好きさん» その言葉がいただけて字書き冥利に尽きます(照) タイトルもこだわっているので褒めていただけて嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年11月8日 22時) (
レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
かわいい私が好き - 題名だけでドタイプを貫いていたので覗いてみたらもう最高の作品に出会いました👐✨これからも読み続けます😉 (2022年11月4日 20時) (レス) @page12 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - みこさん» 一コメですよ〜！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！コメントありがとうございました◎ (2022年10月17日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 一コメ、、、？めっちゃ面白いです！ありがとうございます！更新楽しみに待ってます！ (2022年10月10日 15時) (レス) @page11 id: 3112c05530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2022年9月19日 21時
