沖田先生と秘密の時間【沖田総悟】

7沖田side ページ44

Aみ殴ったそいつは



俺を見るなり


泣き出し



走り去っていった。







「A、大丈夫かィ」



あんなの気にすんじゃねェ

と付け足して

声をかけた



俯いて

何も喋ろうとしない

Aは

肩を震わせ



涙を流していた。






『先生、質問…しても良いですか』




「何でも聞くぜィ、言ってみろ」




『私達の関係ってなんなんですか…っ？』




「そんなの、」





言えなかった


恋人だろ


って


安心させれるだろうが


正解なのか




人に言えない


この恋が


正しいものなのだろうか


こんなにも


こいつを傷つけて


不安にさせて


関係まで偽って



恋人だと

俺は

胸を張って

言えるのだろうか




『…今回の事も



偽って、誤解を招いて

こうなることは分かってました

でも


先生は

恋人だと

言ってくれなかった』



『先生も分かってたんでしょう？


正しくない恋愛は上手く行かない』









分かってた









いつかは

こんな日が

来てしまう事も



薄々気づいていたんだ








俺は




俺は




「俺はたぶん一生お前のことが

世界で一番愛してらァ

今までもこれからも。





だから


お前にはAには

幸せになってほしい









別れやしょう」




そいつの目から

流れた涙は



もう俺の手じゃ



拭えない

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