検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:1,318 hit

トライアングル age16 ページ48

私の背が低いせいで,どうしてもイヤホンが私側へ引っ張られてしまう。高尾は耳からイヤホンがずれないようにと,私のすぐ近くへ顔を寄せてきた。リズムに合わせて,高尾の指先が微かに動いている。高尾「綾瀬は,曲を覚えないでとりあえず動くから,間違えるんだよ」花日「う,うん・・・・・・」折角のアドバイスも,耳を素通りしてしまう。顔が近い。それだけでドキドキしてしまって,曲なんか頭に入らないよ。だって,こんな近くに高尾がいるんだもん・・・・・・。高尾「綾瀬」はっと顔を上げたら,イヤホンのコードがぴんと張ってしまった。花日「あ・・・・・・」私は咄嗟にイヤホンをしている方の耳に手をやった。それと同時に,高尾も自分の耳元を手で押えた。私の右手の甲にふわっと,高尾の髪が当たった。花日「・・・・・・・・・!」思わず動きが止まる。前を向いたまま,私の体は固まってしまった。風に揺れる高尾の髪が,すごく柔らかい・・・・・・。高尾の匂いがする。レモンとミントが混ざったみたいな,私の知らない服の匂い。ドキドキがとまらない。どうしよう。こんなに近くにいたら,心臓の音高尾に聞こえちゃう・・・・・・!かーっと頭のてっぺんまで赤くなってしまった私に,高尾がぽつりと言った。高尾「綾瀬。昔,堤と仲良かったの?」えっ?ぎゅっと瞑っていた目を開いて隣を見たら,高尾が何故か,ちょっとだけ不安そうな顔をしていた。昔って,幼稚園の時の話だよね?それなら仲良いどころか,いっつも酷い事されて,泣かされてばかりだった気がするけど・・・・・・。質問の意味がわからなくて,頭の上に「?」マークを飛ばしてしまった私に,説明を加えるみたいに高尾が続けた。高尾「堤に友達作ってあげようと,頑張ってるし」花日「あ・・・・・・それは・・・・・・。堤君,うちの学校馬鹿にしてて。そういうの,イヤだから・・・・・・」誰とも仲良くする気はないって言ってた堤君が,何故か寂しそうだったから。堤君が,私達と友達になってくれたら嬉しいな,って思ったから。花日「高尾とか,結衣ちゃんとか,私の大好きな人達の事・・・・・・嫌って欲しくなくて・・・・・・」一生懸命話したら,高尾はにっこり笑った。高尾「ちょっと,安心した。・・・・・・頑張れよ」イヤホンをしたまま,おでこをこつんとくっつけて,励ましてくれた。くっついたところから,優しい気持ちが流れ込んでくるみたいに。この人が彼氏で良かった。高尾の事,もっと知りたいな・・・・・・。

トライアングル age17→←トライアングル age15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:12歳 , 黒子のバスケ , 黒桃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。