トライアングル age13 ページ45
次の休み時間。心の折れた私は,机にぐんにゃりと突っ伏していた。花日「堤君,全然成長してないよ・・・・・・」「それでプロフはどうしたの?」よしよし,と私の頭を撫でながら結衣ちゃんが聞いてくる。花日「それは・・・・・・」「とーぜんもう一枚,渡してきたわよ!」私の代わりに説明してくれたのは,まりんちゃんだ。堤君の酷い仕打ちにも全くメゲないのは,ある意味すごい。メンタルが強い。その時私達の前に誰かが立った。結衣「あ,桧山」少し弾んだ声で結衣ちゃんが言う。結衣ちゃんの彼氏の桧山は,何かを「ほら」とぶっきらぼうに手渡すと,さっさといなくなってしまった。結衣ちゃんの手にあるのは,ハガキよりちょっと大きいサイズの紙。それを見て,まりんちゃんがニヤリと笑った。まりん「何,もしかして桧山のプロフ?」そう。昨日結衣ちゃんと私は,それぞれ自分の彼氏にプロフを書いてもらおうって決めたんだった。私は下校の時に高尾に渡したけど,結衣ちゃんも職員室の帰りに桧山に会って,プロフをお願いしていたらしい。それを早速桧山が書いて持ってきた・・・・・・というわけ。「いいなー,結衣ちゃん。見せて見せて」私とまりんちゃんが,わくわくしながら覗き込むと,桧山のプロフにはカブトムシのチェキがあった。・・・・・・自己紹介の自画像に,堂々と貼られた昆虫写真って・・・・・・。まりん「・・・・・・なんで虫?」まりんちゃんがちょっと引いている。花日「桧山って,カブトムシだったの?」思わず私がそう言うと,結衣ちゃんは頬をぷくりと膨らませて,結衣「そんなわけないでしょ!」もうこれ以上は見せないよ,というみたいにプロフを胸に押し当ててしまう。でも私はこっそり見てしまった。プロフの一番下,「好きな人」のワクに,プリクラっぽい小さな写真が貼ってあったのを。それは間違いなく結衣ちゃんの顔で・・・・・・。私の視線に気付いていない結衣ちゃんは,そーっとプロフの紙を見直して,桧山の書いた内容を確認すると,ぱあっと頬を赤くした。結衣ちゃん,すごく可愛い。きっと桧山の「好きな人」の写真に気付いたんだね。どうやら私と同じような事を考えていたらしいまりんちゃんが,幸せを噛み締めている結衣ちゃんを見て笑っている。まりん「うんうん,恋する乙女だわね〜」まりんちゃんのコメントはミョーにベテランっぽい。
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時