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コクハク age18 ページ5

桧山「その気もねーのに笑って受け取って,後で食わずに捨てろってのかよ!」いきなり怒った桧山がこわくて,私は身をすくませる。結衣「そうじゃなくて!好きな人に渡すの・・・・・・どんなに勇気がいるか・・・・・・」噛み合わない。桧山の怒りと私の悲しみは似ている筈なのに,全然伝わらない。もどかしさに俯くと,桧山が疲れたように声のトーンを落とした。桧山「お前に,何がわかんだよ」結衣「・・・・・・わかるもん・・・・・・」同じ人を好きだから,わかるんだもん。桧山にクレープを渡して告白したかったあの子の気持ちも,痛い程よくわかるもん。私の真っ直ぐな視線に気付いた桧山が,少し怯んだような表情を見せた。桧山「くだらねー」そう吐き捨てるように言って,廊下へ出ていってしまった。赤司「へぇ。そんな事言うんだ。一翔,帰ったら覚悟しとくようにね((ボソッ」蓮華「征と同じ事するからね。2倍よ((ボソッ」という,征兄さんとお姉ちゃんの呟きは静まり返った調理実習室内に響いた。

放課後。私は自分の席に突っ伏して,ぐんにゃりとなっていた。手作りクレープは渡す相手を見失ったまま,まだ机の上にある。蓮華&さつき「征,コレあげる/テツ君,コレあげる」赤司&黒子「ありがと/ありがとうございます。それじゃ俺/僕からも,はい」蓮華&さつき「ありがとう」お姉ちゃん達は,お互いのクレープを交換している。いいなぁ。彼氏持ち・・・・・・。結衣「なんで・・・・・・こうなっちゃうの?」ため息をついた,その時。廊下で大きな物音がした。それからいくつかの悲鳴。「喧嘩だ──!!」あのよく通る声はエイコーだ。私は慌てて椅子から立ち上がった。お姉ちゃん達も,椅子から立ち上がった。廊下に出てみると,もう野次馬がいっぱい集まっていた。先生「なんで喧嘩なんかしたんだ!桧山!」一組担任の先生が,不貞腐れたように立つ桧山を叱っている。「いってぇ・・・・・・」足元から呻き声が聞こえた。そこに倒れていたのは・・・・・・。結衣「・・・・・・森君?」殴られたのか,片方の頬を赤く腫らしている。これも桧山が?なんで・・・・・・?先生「お前から仕掛けたそうじゃないか,桧山。どうして殴った?」桧山「・・・・・・ムカついたから」ぼそっと桧山が言う。森君は眉を寄せて呻くだけで,何も答えない。事情を聞くからと,先生はふたりの腕をつかむと,職員室へ連れて行ってしまった。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

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