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トライアングル age3 ページ35

……っていうか,心愛ちゃんレベルでそんな言われ方するなら,私なんかもっとヒドイ事言われそう……。それを想像したら,ぶるっと背筋に寒気が走った。黙って座ってたら都会のカッコイイ男の子なのに,つまらなそうに椅子の背もたれに寄りかかって腕組みをしている堤君は,私の思い出の中にある「帝王」,そのまんま。ううう……。幼稚園時代の悪夢がよみがえってきてしまった。……。幼稚園時代の堤君は,「遠慮」とか「謙虚」とか「言葉を選ぶ」なんて言葉知らない子供だった。だから私だけじゃなくて,おそらくリンゴ組のほぼ全員が,グサッとくるようなことを言われてよく泣いていた。特に私はぼんやりしていたせいか,ターゲットになりやすくて……。ほら,何しろ堤君って「帝王」で「すべての物はオレの物」ってタイプだったから,園で出されるおやつも,私の分まで当たり前のような顔で食べちゃったりしてたんだ。とはいえもう五年も前の話だし,今は六年生で大人になったし,と思ったんだけど……やっぱりヒトの性格って,そんな簡単には変わらないよね……。こ,これはまずいかも。堤君に,同じクラスに私がいるって気付かれたら,これからの学校生活が危ない!きっと目が合うたんびに,あの頃みたいに「ちんちくりん」って呼ばれちゃうよー。まあ,今も背はちっこいんですけどね。でも,それとこれとは別問題。……よし。これから私は絶対に,堤君に昔の知り合いだって気付かれないようにすること。それしかない。私はそう決心して,ぐぐっとこぶしを握り締めた。と……。

堤「何見てんだよ,ちんちくりん」

堤君が,教室の向こうから私に,はっきりこう言った。お,おぼえ……てた……。っていうか……み,見つかっ……た……。花日「ひぇ————っ!!」思わず叫んだ私の声に,皆の視線が一斉に集まった。

————綾瀬花日,12歳。うちのクラスに,嵐の予感です。

「歩,相変わらず花日の事を揶揄ってるなんて,懲りないですね」「だよねぇ〜。花日を揶揄うんじゃなくて,紅葉ちゃんに構ってあげなよ」「お前たち,引っ越した後から交際スタートしたんだろ?」「おめでとう。というか,やっと交際したんだ」堤「〜〜〜っ!兄貴,征兄さん,蓮華姉さん,さつき姉さん,揶揄うな!」黒子&赤司&さつき&蓮華「無理です/無理だ/無理だよ/無理ね。というか,今揶揄わないで,何時揶揄うんですか/だ/のよ/のかしら」あれ?こんな堤君,初めてというか,幼稚園依頼かも……。今堤君を揶揄っているのは,唯一堤君の事を止めることが出来るメンバーです。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

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