検索窓
今日:6 hit、昨日:22 hit、合計:1,344 hit

コクハク age17 ページ4

椅子に浅く腰掛けて,ぼんやりしている。作業しながらしばらく観察していたけれど,私がクレープの皮の元を準備している間も,フライパンに油を引いている時も,桧山はなんにもしていなかった。結衣「桧山,サボんないで!」声をかけてみると,桧山は「いま休憩ちゅーう」とだるそうに答える。結衣「さっきからずっとじゃん」あきれてしまった。自分の持ち場を班の子に任せて桧山のもとへ行ってみると,何故かムッとした顔で私を見た。桧山「蒼井さぁ」結衣「ん?」桧山は,調理台で焼いているクレープを顎でしゃくった。桧山「それ,さっき言ってた『好きな奴』にやるの?」心臓がドキンと高鳴った。まりんとの会話,やっぱり聞かれていたんだ!でも,この質問に私はどう答えればいいんだろう・・・・・・。さすがに,その「好き」の相手は桧山だよ,とは言い出せなくて口篭る。結衣「あ・・・・・・げ・・・・・・たい,よ?」こんな言い方で本人に告白するなんて,恥ずかしすぎて頬が火照った。桧山「・・・・・・・・・」黙り込んだ桧山は,何故か凄く不機嫌そうだ。と,そこへ別の班の女子がふたり,連れ立ってやってきた。「ねーねー桧山ー!この子が桧山にクレープ渡したいんだって!」直球。そして先に桧山に話しかけていたのに,私ったら完全に出遅れちゃった・・・・・・。いきなり言わないでよー,と照れながら,もうひとりが上目遣いで桧山を見る。「だから放課後,ね?」桧山「いらね」即答。告白の約束を取り付けにきた相手に,桧山は不機嫌そうな表情を隠しもしない。桧山「そんなの貰ってもオレ,嬉しくもなんともないから。他の奴にやれば?」女の子達は「ひどーい」と言いながらも,そっぽを向いたままの桧山にフォローする気がまるでないとわかると,諦めて自分の班へと戻って行った。でも,諦められないのは私だ。結衣「何それ・・・・・・そんな言い方ないでしょ?桧山にあげたくて作ったのに・・・・・・」桧山があの子に投げた言葉が,カッターの刃みたいになって私の胸に刺さっていた。結衣「ありがとって・・・・・・笑って欲しくて,頑張って作ったのに・・・・・・」桧山「へぇ,蒼井が渡す奴はそんな優しい王子様なんだ。よかったな,オレと違って」違う。全然違う。なのに,何処から説明したらいいのか・・・・・・もうわからない。結衣「ありがとうくらい言えないの!?」桧山「じゃあなんだよ!」窓ガラスがびりびりする程の大声。皆の視線が一斉に集まった。

コクハク age18→←コクハク age16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:12歳 , 黒子のバスケ , 黒桃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。