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キス・キライ・スキ ページ10

うちのクラスの女子は,皆おしゃれだ。可愛いポーチを持ってる子が多くて,その中には携帯用のブラシとか,いい匂いのするハンドクリームとか,少しだけ色のつくリップクリームとかが入っていたりする。
 私,綾瀬花日には,その姿が眩しく見えてしまう。おしゃれに興味はあるし,可愛い物は大好きだけど,自分用に買ってもらうのはハードルが高すぎる。花日「もうちょっと女の子らしくなったら,自信を持って使えるのに・・・・・・」?「花日は,可愛いよ。ね?紅葉」?「そうだよ!だからさ,自信持ちなよ」呟きに返事をされて,ビックリして振り向くと一番の親友達がいた。花日「結衣ちゃん!紅葉ちゃん!」蒼井結衣ちゃん。私とは正反対の,大人っぽい美人さんだ。そして,結衣ちゃんの妹の,蒼井紅葉ちゃん。紅葉ちゃんは,結衣ちゃんと似たような性格だけど,人見知りをしてしまう事がある。結衣ちゃんは,私のツインテールにそっと手を触れた。結衣「ねえ,髪の毛が乱れちゃってるよ。一回ほどいて,結び直してもいい?」え,と頭に手をやると,高い位置で結んだ髪の毛が,よれてボサボサになっていた。花日「ほんとだ!直してくれる?」結衣「まかせて」結衣ちゃんが,そっとゴムをほどく。ポーチから折り畳みのブラシを出すと,慣れた手つきで私の髪の毛をとかし始めた。花日「結衣ちゃんのポーチ,可愛いね」結衣「ありがと。誕生日にお父さんに買ってもらったんだよ。紅葉とお揃いで」紅葉「そうだったね」花日「いいなー」私もそういうのが欲しいけど,結衣ちゃんや紅葉ちゃんや他の子達より背が低くて,おっちょこちょいで,体形も・・・・・・六年生になったのに子供っぽいって,お姉ちゃん以外の家族にまで笑われるくらいだから,ちょっと気遅れてしまう。それに・・・・・・。クラスのみんなが休み時間にひそひそ話し合う「恋」の話にも,実はあまりついていけていない。アイドルの男の子がカッコいいなと思ったりするけど,それは「恋」とは別の気持ちだし,クラスの男子は子供っぽくて対象外だし,こんなちびっこの私を好きになる人がいるなんて想像もつかないから,何処か遠い世界の話みたいに感じる。恋してみたいけど恋ってどんなものなのか,よく,わからない・・・・・・。?「結衣ちゃん,紅葉,花日!」後ろから声がかかって,私の髪を結び終えた結衣ちゃんの手が,ふととまった。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子  
作成日時:2022年9月3日 14時

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