キス・キライ・スキ age2 ページ11
小走りで机の前に回り込んできたのは，仲良しの小倉まりんちゃん。長い髪を頭の上でお団子にまとめて，何時もキリッとしている元気者だ。まりん「聞いて！お姉がね，昨日付き合っている彼氏とキスしちゃったんだって！」花日「え〜・・・」結衣「・・・すごい」紅葉「嘘・・・」いきなりの爆弾発言に，私は結衣ちゃんと紅葉ちゃんと顔を見合わせた。まりんちゃんのお姉さんは，まりんちゃん曰く「恋愛のプロ」で，男心をつかむテクニックがすごいらしい。まりん「それが，すっごく理想的なキスで，うっとりして眠れなかったって，朝あくびしながら話してくれたんだ」花日「理想的なキス・・・」って，どんなの？頭の中を「？」でいっぱいにした私をスルーして，まりんちゃんが結衣ちゃんに話しかけた。まりん「ねえねえ！結衣ちゃんはどんなキスしてみたい？」結衣「キス・・・。え，私はまだそんなこと・・・」急に聞かれた結衣ちゃんは，顔を真っ赤にして，しどろもどろになっている。大人っぽくて誰よりも美人なのに，こういう話に乗ってこないのが，結衣ちゃんの奥ゆかしいところだ。まりん「花日と紅葉はどう？」花日「特にないかな」紅葉「私も」？「紅葉もそんな，女子みたいな話するんだね」？「俺的には，花日に理想のキスがないことに驚いたけどな」紅葉「高尾・・・」高尾優斗。落ち着きの無いクラスの男子の中で，ひとりだけ目立ってクールな存在。そして，堤歩君。私の幼馴染みで，高尾の次に目立つ存在。花日「堤君，どういう意味！？」堤｢別に何でもねぇよｗ｣紅葉｢というか，女子みたいじゃないもん！女子だもん！｣クラスの女子は皆，高尾や堤君の事を優しいとか，高尾に関しては静かで素敵とか言うけれど，私は全然そうは思わない。高尾は紅葉ちゃんに対しては，すごく意地悪だし，堤君に関しては昔から私の事を馬鹿にしているしてくる。恥ずかしいし，笑われて悔しいし・・・。だけど，堤君の笑顔を見ると，胸の中がぎゅーっと苦しくなる。恋はしたいけど，男子はデリカシーがないし。彼氏とのキスなんて，まだ考えられない。12歳。フクザツなお年頃です。
紅葉Said
楽しそうな，高尾の笑顔を見ると恥ずかしくて，悔しい。だけど，胸の中がぎゅーっと苦しくなる。恋はしたいけど，男子はデリカシーがないし。うちのクラスの男子＆幼馴染みの高尾優斗との恋愛なんて，絶対に無理。12歳。フクザツなお年頃です。
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子
作成日時：2022年9月3日 14時
