〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.1 ページ8
花日Side
うちのクラスの女子は,皆お洒落だ。
可愛いポーチを持ってる子が多くて,その中には携帯用ブラシとか,いい匂いのするハンドクリームとか,少しだけ色の付くリップクリームとかが入っていたりする。
私,綾瀬花日には,その姿が眩しく見えてしまう。お洒落に興味はあるし,可愛い物は大好きだけど,自分用に買ってもらうのはハードルが高すぎる。
花日「もうちょっと女の子らしく可愛くなったら,自信を持って使えるのに・・・・・・」
?「花日は,可愛いよ」
呟きに返事をされて,びっくりして振り向くと一番の親友がいた。
花日「結衣ちゃん!」
蒼井結衣ちゃん。私とは正反対の,大人っぽい美人さんだ。
結衣ちゃんは,私のツインテールにそっと手を触れた。
結衣「ねえ,髪の毛乱れちゃってるよ。一回解いて,結び直してもいい?」
え,と頭に手をやると,高い位置で結んだ髪の毛が,
花日「ほんとだ!直してくれるの?」
結衣「任せて」
結衣ちゃんが,そっとゴムを解く。
花日「結衣ちゃんのポーチ,可愛いね」
結衣「ありがと。お父さんに買って貰ったんだよ」
花日「いいなー」
私もそういうのが欲しいけど,結衣ちゃんやお姉ちゃんや他の子達より背が低くて,おっちょこちょいで,体形も・・・・・・六年生になったのに子供っぽいって,お姉ちゃん以外の家族にまで笑われるくらいだから,ちょっと気遅れてしまう。
それに・・・・・・。クラスの皆が休み時間にひそひそと話し合う「恋」の話にも,実はあんまりついていけてない。
アイドルの男の子がカッコいいなと思ったりするけど,それは「恋」とは別の気持ちだし,クラスの男子は子供っぽくて対象外だし,こんなちびっ子の私を好きになる人がいるなんて想像もつかないから,何処か遠い世界の話みたいに感じる。
恋はしてみたいけど恋ってどんなものなのか,よく,わからない・・・・・・。
?「結衣ちゃん,花日!」
後ろから声が掛かって,私の髪を結び終えた結衣ちゃんの手が,ふと止まった。
小走りで机の前に回り込んできたのは,仲良しの小倉まりんちゃん。長い髪を頭の上でお団子に
まりん「聞いて!お姉がね,昨日付き合ってる彼氏とキスしちゃったんだって!」
花日「え〜・・・・・・」
結衣「・・・・・・すごい」
いきなりの爆弾発言に私は結衣ちゃんと顔を見合わせた。
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...
作成日時:2023年4月23日 0時