〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.18 ページ25
──綾瀬は,そういうやつだよな。
心臓がドキドキする。高尾の一言がこんなに嬉しいなんて。
花日「・・・・・・うん!」
高尾「よし,練習を続けよう。これから毎日,放課後は此処で特訓だな」
花日「おー!頑張るぞー!」
・・・・・・ん?何か高尾に,上手く乗せられた気がしないでもないけど・・・・・・。
ま,いいか。ペアでテストをクリアすることだもん。
それから何度もつっかえながら課題曲を吹いた。すると高尾の指導が上手いのか,最初はガタガタだったのに,段々と正しく吹けるようになって来た。
花日「ね,聴いてた!?今一小節完ぺきに──」
って,せっかく
花日「おーい!ぜんぜん聴いてないんかーい!ちょっと高尾,何見て・・・・・・」
屋上の
クリーム色のカーテンが風に揺れて,その人が誰なのかやっと気が付いた。
花日「あ,先生だ!」
うちのクラスの担任がいた。そして,もうひとり。
花日「あれっ,隣のクラスの先生も一緒?」
一組の担任は若い男の先生だ。さわやかイケメンで女子に人気がある。
高尾「あのふたり,付き合い始めたらしいよ」
花日「えーっ,全然知らなかった!」
なんだか不思議。先生も恋するんだ・・・・・・。うわぁ,急に心臓がばくばくしてきた!
花日「あっ,呼んだら気付くかな,せんせー・・・・・・」
ドキドキを誤魔化すために柵に手を掛け,高尾の前に身を乗り出す。
その時,先生達が切なそうに見詰め合った。風がふわりとカーテンを揺らし,またふたりを隠してしまう。
花日「あ・・・・・・」
次の瞬間,再びカーテンの陰から現れたのは,お互いを抱き寄せて,そっと唇を合わせるふたりの姿だった。
花日「・・・・・・今のって・・・・・・キス・・・・・・」
驚いて思わず一歩後ろに下がったら,高尾の肩にぶつかった。
花日「あ,ごめ・・・・・・」
振り返ると,ほんの数センチ先に高尾の顔がある。
びっくりしているのか,
ゆっくり顔が近付いてくる。それがどういうことか全然わからないでいるうちに,高尾の息が私の頬に触れ,それから唇と重なった。
〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.19→←〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.17
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...
作成日時:2023年4月23日 0時