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〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.16 ページ23

二十分後,私達は近所のドラッグストアに潜入していた。
私の前にいた花日は,生理用品売り場の商品棚を見てメモを取っていたけれど,お客さんの姿に気付くとサッと身を翻して戻ってきた。
花日「種類いっぱいありました!フツーの日,多い日,セール品,ありました!」
びしっと敬礼した花日につられて,私も作戦本部長の気分になる。
結衣「よし・・・・・・じゃあ,セール品で!」
花日「了解!」
私の言葉にごくりと唾を飲んで,花日が売り場とレジを交互に見た。
今回のミッションはこうだ。
売り場に鷹のように舞い降り,一瞬でセール品を掴んだらレジへダッシュ。その後すぐに戦線離脱!作戦の所要時間は,推定一分三十秒。
どうですか,この完璧な計画・・・・・・。
ダッシュで間合いを詰めた私達は,お目当ての商品をガッと掴むと,レジへの一本道をひた走った。
さっきまでイケメン風なお兄さんだけだったレジに,もうひとりおばさん店員が入って来た。
花日「チャンスです!レジにおばちゃん店員がヘルプで入った,今がチャンス!」
結衣「ふたりで突撃だーーーー!!」
花日&結衣「オーーーー!」
花日「さあ,レジへ!」
花日ガッ叫んで私が頷く。作戦完了間近!最大難関のレジが目の前に・・・・・・!
その時自動ドアが開いて,真正面からおばちゃんの集団が流れ込んで来た。
「あらー,安いわよ,これ!/あらっ,ホントだわホントー」
進軍するおばちゃん軍団に,まず花日が行く手を阻まれてしまった。
花日「わあぁああ!」
結衣「花日いぃぃ!」
私の伸ばした手を,花日が掴み損ねる。そのまま人波に飲まれてしまった花日が,最後の言葉を振り絞った。
花日「かまうな!私の屍を越えて行くんだ!!」
ありがとう花日。勇気がある我が戦友よ。キミの死は,決して無駄にはしない!
(※注意:ドラッグストアで買い物をしているだけです)
結衣「うぉおおおーーーー!!」
大事なことなのでもう一度言います。(※注意:ドラッグストアで買い物をしているだけです)
雄叫びと共にレジに飛び込むと,ピッとバーコードが読み取られ,液晶画面に税込価格が表示された。それを確認した私は,全力で五百円玉をレジ台に叩き載せる。
つ,遂に・・・・・・ミッション完了!
店員「ありがとうございましたー」
店員さんの声が,のんびりと店内に響いた。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...  
作成日時:2023年4月23日 0時

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