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〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.15 ページ22

下校時間にはもう,雨が降り出していた。
傘をさして花日とふたりで校門を出ると,外はかなり暗くなっていた。
お気に入りのテレビ番組の話をぽつぽつしながら歩いて,家の近くまで来たところで,私は立ち止まった。
結衣「・・・・・・どうしよう」
花日「え?」
つられて足を止めた花日が,きょとんと私を見上げた。
結衣「うち,お母さんいないから・・・・・・」
そう口にしたら,花日はすぐに察したみたいだった。
花日「そっか。お姉さんは?」
結衣「お姉ちゃん,今日は征兄さんと過ごすみたいだから,邪魔したくないし。けど,お父さんに話すの,やっぱり恥ずかしいよ。でも,先生に貰ったアレ,すぐなくなりそうだし・・・・・・。どうしよう。ひとりで買いに行くの,怖いよ・・・・・・」
他のうちの子は,困ったらお母さん似頼ることが出来る。でもうちにはお母さんがいない。お姉ちゃんも,彼氏の征兄さんと過ごす事が多いから,出来るだけ心配かけたくない。でも,お仕事を頑張っているお父さんを,こんな事で悩ませたくない。
うちのお父さんはすぐに自分を責めるタイプだから,私が生理のことで困ってるって知っただけで「これだから男親は」って落ち込んじゃう。だから,それだけは避けたいんだ。
花日「・・・・・・やろう」
私の話を黙って聞いてくれた花日が,ぽつりと呟いた。
花日「ふたりで・・・・・・アレ,買いに行こう!」
アレ,の部分だけを小声にして,そう言い切った花日の瞳は,使命感に燃えている。
結衣「いいの・・・・・・?」
花日「うん!」
即答だった。
このいきなりの申し出は,すごく,すごくありがたかった。でも私は心のどこかで,花日ならそう言ってくれるかもしれないって,多分少しだけ期待していた。
甘えちゃってごめんね。そしてありがとう,花日。
花日「じゃあ,一旦家にランドセルとか荷物を置いて,また此処に集合しない?」
花日の提案に頷きながら,ふと思い出して私は聞いた。
結衣「でも,ちゃんと買い物出来るかな?えっと・・・・・・花日,ひとりで買い物したこと・・・・・・」
花日「コンビニもお母さんかお姉ちゃんと一緒に行く!」
・・・・・・だよね。そうだったよね。ああ,堂々と胸を張って言い切られてしまった・・・・・・。
このヒミツの買い物ミッション,大丈夫なのかな?
ちょっと・・・・・・ううん,かなり・・・・・・不安になってきてしまった。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...  
作成日時:2023年4月23日 0時

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