〜キス・キライ・スキ〜𝒩𝑜.4 ページ11
花日Side
移動教室明けの休み時間。
結衣ちゃんと廊下を歩いていたら,少し先にまりんちゃんがいた。
花日「一緒に教室戻ろうよ」
うん,と頷いて三人で歩いていると,まりんちゃんがしみじみと言った。
まりん「あー,遂に私達も六年生かぁ」
結衣「でも,良かったね。また三人一緒のクラスになれて」
結衣ちゃんがにっこり笑う。
小学校最後の一年だもん,大好きな友達と過ごせるのは,私だって嬉しい。
だけど,でも・・・・・・。
結衣「どうしたの,花日。元気ない?」
黙ってしまった私に気付いた結衣ちゃんが,背中をかがめて覗き込んだ。
気が付いらもう,クラスの前の廊下まで来ていた。
窓のそばに高尾が立っているのが見える。そしてクラスの中でも特に女の子らしい一団が,高尾の周りにくっ付いて,楽しそうにお喋りしていた。
花日「なんでいつも,私を馬鹿にするんだろう」
私の視線の先を追った結衣ちゃんは,ああ,と納得したみたいだった。
結衣「高尾のことか・・・・・・」
まりん「モテるよね,あれは」
したり顔のまりんちゃんが,人差し指をクイッとあげた。
まりん「勉強も運動も,何でも出来てカッコいい。女子人気,ただいまナンバーワン!」
花日「カッコいい・・・・・・かなあ?」
結衣「花日はそう思わない?」
結衣ちゃんに聞かれて,私は「うん」と頷いた。
皆口を揃えてそう言うけど,高尾の何処を見て「カッコいい」と決めているんだろう。窓際に立つ高尾は,他の子より背が高くて,誰より背筋がすっと伸びていて,ただそれだけを見れば,ああきれいだな,とは思う。──でも。
花日「高尾ってなんか・・・・・・何考えてるか,よくわからないもん」
他の女の子には優しいのに,私にはちっとも優しくない。すぐに揶揄う。
やっぱり女子だと思われてないから,なのかな?
そのときだ。
「きゃあああ!/いやぁ!」
教室にいきなり高い悲鳴が二つ同時に響いた。
声の方を見れば,廊下近くにいた蓮華お姉ちゃんとお姉ちゃんが,スカートの裾を押さえて真っ赤になっていた。
蒼井蓮華ちゃん。結衣ちゃんのお姉さんで小学生とは思えない程大人びていて,凄くクールな女の子で噂によれば,彼氏持ちらしい。
そして,桃井さつきちゃん。私のお姉ちゃんで蓮華ちゃん同様,小学生とは思えない程大人びていて,妹の私よりも体型が良くて身長も高い。私も知らなかったけど,彼氏持ちらしい。
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり!by...
作成日時:2023年4月23日 0時