6—2に男女2人の転校生!?Part31〜引き続き修学旅行編ッスよ(。ゝωσ)シャラッ☆〜 ページ38
結衣Side
夜の大浴場に,シャコシャコ・・・・・・というタワシの音が響く。
臨時清掃中で入浴客なんかいないから,私と桧山は,ふたりで旅館のお風呂掃除をしていた。桧山「ったく・・・・・・就寝時間を破った罰が,風呂掃除って・・・・・・。なんで修学旅行に来てまで,オレがこんな事しないといけないんだよ!」タワシで洗い場のタイルを磨きながら,ぶつぶつと桧山が文句を言っている。そう。桧山の家は銭湯を経営していて,何時も家の仕事の手伝いをしている桧山は,大風呂掃除は慣れている。ただ,いくら慣れているからって,進んでやりたい訳では無い。それも,楽しいはずの修学旅行の最中なんて,言語道断だ。桧山の気持ちは痛いほどわかるから,私は黙って掃除を続けていた。桧山「・・・・・・蒼井,なんであんなことしたんだ」結衣「・・・・・・・・・・・・」私は何も言わずに,ひたすらタイルの目地を擦った。あんなこと・・・・・・。私にとっては,そんな言葉でも雑に扱える事じゃないのに・・・・・・。そう思ったら,また涙が滲んでしまう。桧山「おい,蒼井!」焦れたように,桧山が私の名前を呼ぶ。質問にちゃんと答えろって,多分そう言いたいのだ。だから,桧山に背中を向けたまま,私はぽつぽつと言葉を継いだ。結衣「キスしたら・・・・・・なれると思ったの」桧山「何がだ」結衣「花日と高尾,堤君と香梨奈みたいに・・・・・・恋人っぽく」桧山「なんだよ,恋人っぽいって」その度に,低い声で桧山が聞き返す。私は,花日達のことを思い出しながら,必死で説明した。結衣「・・・・・・可愛いねとか,自然に言えちゃうような・・・・・・甘い感じの」桧山「あー・・・・・・」桧山が濡れた手で,わしわしと自分の頭をかいた。結衣「あーつて,何よ」──そんな,イヤそうに言わなくてもいいのに。そういうところ,桧山ってデリカシーがない。すると桧山は,ぼそっと呟いた。桧山「だから,オトナになれば,そんなの・・・・・・自然になってんじゃねーの」え・・・・・・?私はタイルから顔を上げて,桧山を見た。今,なにか凄い事を聞いた気がする・・・・・・。結衣「私達・・・・・・オトナになっても,付き合ってるの?」ぽかんと口を開けた私に,桧山がバツが悪そうに言った。桧山「当たり前だろ。オレは・・・・・・蒼井とずっと一緒にいたいと,思ってるし」だから・・・・・・,と桧山は一拍置いた。桧山「・・・・・・焦んな」
まだ,私達は子供で。でも,この恋は・・・・・・ずっと先まで繋がってるって,そう思っていいの?
6—2に男女2人の転校生!?Part32〜引き続き修学旅行編ッスよ(。ゝωσ)シャラッ☆〜→←6—2に男女2人の転校生!?Part30〜引き続き修学旅行編ッスよ(。ゝωσ)シャラッ☆〜
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/cfd52116461/
作成日時:2021年12月26日 18時