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𝒩𝑜.38〜コクハク〜age1 ページ46

結衣Side

思えば今日は,朝から残念な日でした。
出勤前のお父さんが,やたら洗面所とお風呂場を行ったり来たりしていると思ったら,
結衣父「ごめん結衣!うちの風呂,どうも壊れちゃったみたいだ。平日は仕事があるから,修理の業者さんを頼んでも立ち会えないし・・・・・・。今夜から暫く近所の銭湯に行って貰う事になるけど,いいかな?それと,ひとりで行くのが怖いなら,蓮華を誘ってくれる?多分,付いて来てくれるから」
そんな事を言って来て。
大きなお風呂は大好きだけど,お父さんが帰ってくる前に,ひとりで夜の銭湯に行くのはちょっと緊張してしまうわけで・・・・・・。
私は,お姉ちゃんに連絡をした。すると,直ぐに返事が来て,了承を得られた。
蒼井結衣,12歳。
つい最近,親友の綾瀬花日が彼氏持ちになりました。
それを聞いて嬉しい気持ちになったし,素直に羨ましいなって思うのです。
私も恋をしてみたい。でもうちのクラスの男子なんかとは,考えられない。だって,子供っぽいし乱暴だし・・・・・・(あっ,花日の彼氏の高尾とさつきお姉ちゃんの彼氏のテツ兄さんとお姉ちゃんの彼氏の征兄さんと大兄さんと真兄さんだけは別です)。
特に彼奴となんて,有り得ない。もう,絶対に無理!
そう,彼奴・・・・・・,桧山一翔とだけは。

結衣「一翔?」
蓮華「征。もしかして,一翔と店番?」
近所の銭湯に着いた私は,ぼんやり考え事をしながら番台に小銭を置いた。ところが,ふと顔を上げるとそこに,見た事のある男の子の姿があるのに気付いた。お姉ちゃんは,知ってたかのように征兄さんに話し掛けていた。
結衣「えっ,何で此処に居るの!?」
桧山「いちゃ悪いかよ!此処,オレんち!」
赤司「嗚呼。家に帰ってきたら,いきなり母さんから一翔と一緒に店番しろって言われてね」
蓮華「どんまいw」
赤司「最低」
お姉ちゃん征兄さんは楽しそうに話していた。
え?一翔のお家,銭湯やってるの?それ,初耳なんですが・・・・・・。
桧山「結衣こそなんだよ・・・・・・」
結衣「お風呂壊れちゃったから」
あっそ,と一翔は素っ気なく返事をした。
ほほう。家の手伝いをするなんて,割りと良い子じゃない・・・・・・。
そんな私の視線に気付いたのか,一翔はぎろっと睨んできた。
桧山「何見てんだよ。気持ち悪ぃな」
これには私もカチンとくる。何で何時も,こう言う言い方をするんだろう。

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作成日時:2023年10月22日 23時

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