12歳〜ちっちゃっなムネのトキメキ〜(アニメ沿いver.)vol.3 (ページ27)

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𝒩𝑜.19〜キス・キライ・スキ〜age19 ページ27

手の中のナプキンを見つめて，私はそっとため息をついた。
下校時間にはもう，雨が降り出していた。
傘を差して花日とふたりで校門を出ると，外はかなり暗くなっていた。
お気に入りのTV番組の話をぽつぽつしながら歩いて，家の近くまで来たところで，私は立ち止まった。
結衣｢･･････どうしよう｣
花日｢え？｣
つられて足を止めた花日が，きょとんと私を見上げた。
結衣｢うち，お母さんいないから･･････｣
そう口にしたら，花日はすぐに察したみたいだった。
花日｢そうだったね，蓮華お姉ちゃんは？｣
結衣｢お姉ちゃんは，一人暮らししてるから･･････。お父さんに話すの，やっぱり恥ずかしいよ。でも，先生に貰ったアレ，すぐなくなりそうだし･･････。どうしよう。ひとりで買いに行くの，怖いよ･･････｣
他のうちの子は，困ったらお母さんに頼ることが出来る。でもうちにはお母さんがいないし，お姉ちゃんは一人暮らしをしてて，頼りにくい。でも，お仕事を頑張っているお父さんをこんな事で悩ませたくない。
うちのお父さんはすぐ自分を責めるタイプだから，私が生理のことで困ってるって知っただけで｢これだから男親は｣って落ち込んじゃう。だから，それだけは避けたいんだ。
花日｢･･････やろう｣
私の話を黙って聞いてくれた花日が，ポツリと呟いた。
花日｢ふたりで･････アレ，買いに行こう！｣
アレ，の部分だけを小声にして，そう言い切った花日の瞳は，使命感に燃えている。
結衣｢いいの･････？｣
花日｢うん！｣
即答だった。
このいきなりの申し出は，すごく，すごくありがたかった。でも私は心のどこかで，花日ならそう言ってくれるかもしれないって，多分少しだけ期待していた。
甘えちゃってごめんね。そしてありがとう，花日。
花日｢じゃあ，一旦家にランドセルとか荷物置いて，また此処に集合しない？｣
花日の提案に頷きながら，ふと思い出して私は聞いた。
結衣｢でも，ちゃんと買い物出来るかな？えっと･････花日，ひとりで買い物したこと･････｣
花日｢コンビニもお母さんかお姉ちゃんと一緒に行く！｣
･･････だよね。そうだったよね。ああ，堂々と胸を張って言い切られてしまった･･････。
このヒミツの買い物ミッション，大丈夫なのかな？
ちょっと･･････ううん，かなり･･････不安になって来てしまった。