困惑 ページ43
書庫の整理を終えた私とエースは、揃って食堂の扉を潜った。
「サッチ〜腹減った〜!」
エースが厨房で忙しそうにしているサッチにそう言えば、サッチはお玉でエースを指した。
「うっせえ!今は猫の手も借りたい程忙しいんだ!黙ってろ!」
文句を言うエースに苦笑してから、サッチに声をかける。
「手伝う?」
一瞬嬉しそうに目を向けるサッチだけど、すぐに顔を青白くさせた。
「大丈夫、Aちゃんはゆっくりしてて!」
猫の手も借りたい状況じゃないのかな…?
すると、私とエースの後ろから、いつもより低い声が聞こえてきた。
「Aは4番隊じゃないんだ。手伝わなくていい。怪我したらどうするんだ?」
「きゃっ!」
振り向いたそこには、イゾウさん。突然すぎて驚く私を見て、楽しそうに笑っている。隣にはマルコとハルタもいる。
今朝のリタの話を思い出して、イゾウさんにどう接していいのか分からなくなる。
思わず後ずさった私は、イゾウさんと目を合わせられない。
「どうした?」
私の様子を不審に思ったイゾウさんが近付いてくる。
「あの…今はちょっと…イゾウさん…」
「ん?」
なるべく傷付けないような言い方…。
「すみません、どんな顔して会えばいいのか分かりません!」
何も思いつかなかったから、思わず食堂を飛び出した。
「あっ!おいA!」
イゾウさんの声が聞こえたけど、立ち止まらずに私はナースさんたちの部屋を目指す。
何度か家族とぶつかりそうになりながらも、やっと着いたナースさんたちの部屋にはリタはいなかった。
そこにいたナースさんたちからリタの場所を聞くと、オヤジさんの所だという事だから、今度は歩いて向かう。
オヤジさんのいる甲板に着いてリタを見つけると、彼女に声をかけた。
「リタ〜!」
「A?!ちょっ!何で泣きそうな顔してんのよ?!」
どうりで視界が悪いと思ったら、涙目になっていたようだ。
「私、イゾウさんとどんな風に接していいのか分からないよぉ」
「…は?」
意味が分からないというようなリタ。
今朝聞いた話が尾を引いている、と言うと深いため息を吐かれる。
「グララララ!どうしたんだ?A」
「オヤジさん…聞いてくれますか?」
「当たり前だ!娘の話一つ聞いてやれなくて何が親だ!」
その言葉に、オヤジさんの足に抱きついた。
「オヤジさーん!大好きですー!」
「グララララ!おれも大好きだぜ」
私…この船に来てよかった…!
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イゾウRAVU - 10才だと五年生ですよ! (2018年12月9日 13時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
アベッチ - 面白いです!頑張ってください!! (2018年3月23日 16時) (レス) id: 6605acb6b9 (このIDを非表示/違反報告)
焔彩(プロフ) - コメントありがとうございます!夢主ちゃんは色恋沙汰に関しては純粋すぎるんです。故にイゾウは苦労人だったわけです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
ミンハオの嫁()(プロフ) - 夢主ちゃん純粋すぎるぅぅ!私なんて、私なんて、小5で知ってましたよぉぉ!!純粋なんて程遠いいいいい!羨ましいわっ!。。ちなみに初コメです笑笑 (2018年1月21日 20時) (レス) id: 48f96f1def (このIDを非表示/違反報告)
juantya_(プロフ) - イゾウがすきなので、こういうストーリー好きです!更新頑張って下さい! (2018年1月14日 12時) (レス) id: 2079238fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2018年1月10日 16時